昨年

母の交通事故をきっかけに

高齢の母がいずれ迎える死を

本気でみつめるようになった。


母への許しが

母への感謝に変わった。


母だけでなく、

亡くなった父、妹、弟から

無条件に愛されていた事に気づいた。


わたしは長女で

家族の前では

長い間ずっーと

できるふりして大人ぶってだけど

心の奥底では

いつまでたっても

怖がりで甘えたがりで

愛されがたりの子どもだったんだと

自覚した。



今度は

義母の危篤の知らせ


めちゃくちゃ怖がりの義母を筆頭に

怖がり一家の夫の家族。


長男である夫ももれなく

めちゃくちゃ恐れなのに

必死で長男の役割を背負おうとしている。


「どうなるかわからないけど、

怖いよね。悲しいよね。

受け入れたくないよね。

だけど、

みんなでその思いを共有しながら、

すすんでいけたらいいね。」


こわばっていた夫が、

柔らかくなった。



これまで義母が何度入院しても

病院を怖がり

お見舞いに来ることがなかった義妹を

まるで幼いお兄ちゃんが妹の手を引きながら歩くように

義妹を義母のところに連れて来た。


ギクシャクしていた

夫と義妹の空気が柔らかくなっている。


親族たちが面会にきたら

昔から死を恐れている義母が

『自分の死が近い』と

恐れるんじゃないかと心配しながらも

義母の会いたい人たちに連絡し

怖がりの義母に配慮してもらうよう

親族たちにお願いし

時には冗談をいいながら

義母に寄り添っている。


しんどそうだけど

「みんなにあえて幸せ」と

義母が笑っている。


これまで

ギクシャクしていた

夫の家族たちが

ゆるんで優しい顔をしている。


義母の病状が上向きになってきた。


なんとか持ち直して

義母、夫、義妹、義弟が

この幸せをもっともっと味わえたらいいな。



家族の生死に直面するとき

蓋してきた

柔らかい思いがあらわれてくる。

本当に大切にしたいものが

あらわれてくる。