寝袋と着替えだけ持って
夜明け前に車を走らせ
2時間と少しで皆生に着いた。
ガランとした何もないアパートで
荷物が届くのを待つ。
勢いこんできたけど、
わたしに何があるんだろう。
これからどうなるだろう。
心細く感じているわたしがいる。
届いた天井ライトを設置。
スポットタイプの電球が4つ。
2人で設置してくださいと書いてあるが、
ここにいるのはわたし1人。
両手を持ち上げ続けるのと、
眼の焦点を当てるのが難しい。
脚立に乗り降りしながら、
試行錯誤。
ここが
12軒目の住処。
心細くなるようなチャレンジは
山のようにやってきた。
今まで、
なんとかやってきたじゃないか。
今まで、
なんとかなってきたじゃないか。
それでも、
怖いのは、
誰かの役に立つために生きるのを
全てやめて、
自分を幸せにするために生きると
決めたから。
もう、
言い訳できない。
誰のせいにもできない。
生活を整えるのも、
わたしの聖域を作るため。
家具の配置や色彩、香りetc…
選ぶのも真剣になる。
好き＊心地よいでいかに選べるか。
疲れてくると、
思考が、
失敗したくない、
損したくない、
早く基盤を作って次に行かないと……
ゴチャゴチャ言い始める。
その度に、
お茶飲んだり、
深呼吸したり…、
失敗してもいいじゃない、
損したっていいじゃない、
その瞬間に感じる自分でいいじゃない…と、
軌道修正を繰り返す。
ようやく
ライトが設置出来た。
机も届いた。
灯りをつけたら、
暖かい光りに机が包まれていて、
ここでわたしは
何かを生み出していくんだと
楽しみになった。
次は、
棚選びだな。
少しずつ整えていくぞ
疲れて寝袋でうとうとし始めたら、
夫から電話があった。
雪予報があったが、
寝袋だけで大丈夫かと気にかけてくれる。
結婚して5年、
用事以外で電話をくれたのは初めての事。
夫には、
どんな本音でも言える練習を
させてもらった。
その度に、
わたしは変化し、夫も変化した。
夫は
生まれて初めて、
わたしがわたしのままでいられる人に
なった。
だからこそ、
孤独になってもチャレンジしたいと
思えるようになったんだな。
夫にとっては
不本意だろうけど、
これからの2人の関係も楽しみだ
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己年晦日の２月３日に
米子のカフェで、
お話会します
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