今月も、食育リレーブログをお届けします
離乳食の始まりは、一生のおつきあい、「食べること」のスタート。
離乳食が進むにつれて、お子さんの食べ方に戸惑うお母さんもいらっしゃるのではないでしょうか。
◆食べない、拒否
◆ぐちゃぐちゃ食べ
◆食べながら遊ぶ
◆どこかへ行っちゃう
◆自分でもできるのに、食べさせてもらう専門
などなど…?
月齢・年齢それぞれ、ママの困りごと、食べ方、また可愛らしさも、個性があることと思います。
我が家の場合は、非常に食欲旺盛なタイプ。
食べない悩みはなかったものの、お腹がすくと荒れる、離乳食の頃は激しく汚れる、身体も床も食べ物のまみれ、、片付けがしんどいときもありました。
今だけだとわかっていても、毎日のことだと後片付けも大変
そんなとき、こどもの食べ方について、知っていてよかったなぁと思ったことを
それは、こどもの発育段階と食べ方の関係です
時期など個人差はありますが、こどもの一般的な発達過程には段階があります。
子宮から出てきた赤ちゃんは、しばらくすると、地球の重力に抗い頭を垂直に保てるようになり(首が座る)、両目で自分の手を見ることができるようになります
手と手を合わせる、手とおくちも出会う…こぶししゃぶりで自分の身体というものに気づきます。
(そのうち、足もおくちに入れてみたり♪)
指しゃぶり・こぶししゃぶりは、口の中に刺激が入り、食べる練習にも繋がっていく行為。
赤ちゃんの小さな小さな動きにも、次の発達に繋がる大切な流れが組まれているって、なんだかおもしろい
その後寝返りなどなど様々な経過があり、筋肉が発達して今度は骨盤をまっすぐに保てるようになる(腰が座る)と、座れるようになりますね。
座れるってすごい動作の獲得です
寝ていた頃より視線は高く、なんといっても手が自由に使えます。
気になるものに向けて手を伸ばしたり、握ったものをじっと見ることができるようになったり
赤ちゃんは触るのが大好き、くちに入れるのも含めて最初は触って感じる・学ぶ【触覚優位】でした。
でも、「見る」行為が繋がって、興味ももって、だんだんと見ただけでわかる【視覚優位】に変化していきます。
教科書的なはなしでは、このあたりでだいたい生後半年、それ以降くらいでしょうか。(個人差たっぷりあります!)
お腹の中では、内臓も発育して、消化酵素も整っていきます。
歯も生えてくる頃。
身体のいろいろな変化を経て、赤ちゃんは食べる行為を獲得していきます。
離乳食を始める時期、本に書いてあるとか、まわりに合わせて、だけではなくて、赤ちゃん個人の発育状況をよく見ながらスタートしてみるのも、いちばん身近にいるお母さんの醍醐味かもしれません
はじめは、栄養をとる目的よりも、食べるという行為に慣れるための離乳食。初めての連続です
そして、こどもによっては、そのうち始まるぐちゃぐちゃ食べや、ボイコット、食べ物遊び…イヤイヤ期も入ってきたりするのでなおさら複雑に(笑)
でも、今まで触覚を頼りに成長してきた小さな子。
まだつきあいの浅い「食べ物」を、触って、まずは触覚で味わってみるというのも、自然なこと。
舌の動きの発達、歯の生え方でも、食べることはどんどん変化していきます。
奥歯が生えて、噛み潰しができるようになると、食べられるものがぐんと広がります
最初は手づかみ食べはあたりまえ。
自分でスプーンを使い始めると、小さい子ならでは、持ち方に特徴がありますね
これ
この「上から握り」〔回内かいない握り〕を経て「下から握り」〔回外握り〕へ、
そしてちょっと大きい子風の「3指握り(鉛筆握り)」へと進んでいくといわれています。
図:三輪書店『発達障害と作業療法〔基礎編〕』・ものの握り方の発達過程より
これも発育の過程。
やってみるとわかるのですが、この「上から握り」は、食べるためには肩~肘を使う大きな動きで、スプーンからこぼれるのも当たり前
発達は、身体の中心から末端に向かうので、手首や指が上手にコントロールできるのは高度なこと。まずは肩や肘から、順番に順番に…です。
だんだんと、動きが離れて分かれて、小さな動作ができるように変化していきますよ~
だから、複雑な持ち方をして、開いて閉じてと指先を動かす箸使いって、ものすごい高度な動作
一瞬一瞬のこどもの変化、寝返りやハイハイなどダイナミックな発達に比べてとても小さな部分ですが、手指の変化も注目してみると、日々の食事動作が違って見えてくるかもしれません
そして、新しいものを食べたり、出会ういろいろな人と一緒に食べたり、いつもと違う場所で食べたり…
様々な新しい体験が待っています
こどもたちが、たのしくおいしく、安心な食生活を送っていけますように
ママスタートクラブ
食育プロジェクトスタッフ にわっち