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沈黙を破る~イスラエル将兵の証言~ 



ももたろうのブログ

 投石を理由に何日間もこのように拘束される。彼は未成年だ。

 パレスチナ・イスラエル問題

 とても心の苦しい映画を見てしまった。これほど目を覆いたくなる現実を見事に表現した映画は類を見ない。

 チベット問題を実際にこの目で見聞した時から、この問題に辿り着いた。

 少しだけチベットの問題を言うと、自分たちの自治を求めているチベット人に対して、中国は武力を持ってこれを制圧した。たんに内紛ではすまない根深い問題があることを強烈に思い知らされた事実があった。

 チベットからヒマラヤを越え、ネパールから香港へ旅をした道のりで、香港の骨董通りに辿り着いた。

 ほんの少しのチベット仏具を前に、店主と会話した中で、チベットに滞在していた話をすると、彼は笑いながら、頭がおかしくならなかったか?・・・と。店主にチベットへ行ったことがあるか?と問うと、「ない」と。

 私がその意味合いの理解を誤解しているかも知れないが、これがまさにチベット問題の根深さだと感じた。

 つまり、完全なる「偏見」なのだと感じた。店主と議論や抽象をするつもりは毛頭ない。

 話をパレスチナ、イスラエルの問題に移そう。

 このブログを見た人の皆さんすべてにお願いしたい。ぜひ、このドキュメント映画を一度見てほしい。

 そしてこの映像から何かを感じてほしい。

 イスラエル軍としての立場で、ヨルダン川西岸地域を侵攻、占拠した時、その時実際に直面した事実を公に公表した。「祖国への裏切り」とユダヤ人から非難されながらも、自身の過ち、と認めあえて公開した。「世界で一番道徳的な軍隊」として占領地の先頭に立った兵士たちが自らの加害行為を告白するものだ。
 
 「沈黙を破る」と題した写真展を開いた。世界中から大きな反響があったと言う。

 イスラエルの中流階級に生まれた13歳の女の子がパレスチナ人女性の自爆テロによって命を奪われた。

 父親はどれだけ嘆き悲しんだ事だろう。インタビューの中で、負の連鎖を伝えていた。この苦難を乗り越えるには2つの方法しか無い事を後に、この父親は悟ったと言う。
 この憎しみを、憎しみでやり返す事。つまり徹底的に暴力でこの憎しみをはらす。
 もう一つは、自爆テロをしなければならなかったほどの彼ら(パレスチナ人)たちの憎しみを理解する事。

 悟った時に、対話が必要だと、この不幸にして死亡した女の子の父親は静かに語っていた。その瞳の奥には最愛の娘を失った悲しい父の姿を見た。その思いは察するにあまる。

 沈黙を破った兵士たちは証言する。6歳の子供でも、祖父や祖母の人であっても、なんのためらいも無く銃をはなつ。そして倒れた子供に近寄り、至近距離から10発以上の銃弾を浴びせるという。

 かれらはそのように訓練されている。その時、兵士たちは何も考えない。と、している。

 自分が意思を持ったときに、その重圧に耐えられないのだそうだ。だから自身を正確な「機械」に変える。と。

 休暇で自宅に帰ると、普通に両親にただいま。を言い、ガールフレンドとデートをし、日常の中に戦争を持ち込むことにためらいが無くなっていく事は、いわゆるイスラエルを崩壊に導くことだ。と証言兵士は語っていた。

 これはパレスチナ・イスラエルの問題ではない。人類の普遍のテーマなのだろう。

 チベット問題、チェチェン紛争、湾岸戦争、アパルトヘイトの問題もそうだ。そして9.11事件も・・・

 この映画を見て頂いた上で、イスラエルのセキュリティー保持の為に、占領や検問が必要だ。と感じて頂いても良いと思います。最悪なのは無関心になること。日本は安全な国。そんな保証は何も無いわけで・・・

 少しでも感心を持って頂くとするならば、今、話題となっている裁判員制度にも、この問題の起因する事は繋がると思います。子供さんをお持ちの親御さんならば、喧嘩して帰って来た子供に、なんと言って諭しますか?

 是非、感じてほしい。

 「沈黙を破る」 (シグロ・映画配給会社より)
 占領地に赴いた経験をもつ元イスラエル将兵たちによって作られたNGO。
 2004年6月、イスラエル最大の都市テルアビブで、「沈黙を破る--兵士が ヘブロンを語る」と題した写真展を開催。占領地で撮影した写真や60人の兵士 たちの証言ビデオなどが展示され、国内で大きな反響を呼ぶ。20代の青年たちが 中心となり、占領地での、虐待、略奪、一般住民の殺戮等の加害行為を告白すること により、今まで語らえることの無かった占領の実態にイスラエル社会が向き合うこと を願っている。


 「沈黙を破る」NGO法人のサイトをご案内します。

 http://www.breakingthesilence.org.il/index_e.asp (英語、ヘブライ語)

 「沈黙を破る」 映画配給会社のサイト
 http://www.cine.co.jp/chinmoku/


 ※NGO Non-Governmental Organizationの略
 もともとは、国連と政府以外の民間団体との協力関係について定めた国連憲章第71条の中で使われている用語。国際協力に携わる「非政府組織」「民間団体」の事を意味します。
 開発、人権、環境、平和などの地球規模の問題に国境を越えて取り組んでいる非営利の民間組織をNGOと呼ぶ。