ももスキンケアクリニック院長ブログ:一期一会

ももスキンケアクリニック院長ブログ:一期一会

 ももスキンケアクリニックは、岡山県岡山市の美容皮膚科クリニックです。
 このブログを通じて、院長自身の言葉で、美容皮膚科の現在をお伝えしていきたいと思います。

 乳児期の体表面へ、急速に血管の塊が増殖する疾患が乳児血管腫です。

 

 私自身が研修医の頃、指導医の先生と一緒に、この疾患を担当した事があります。確か頭部に出来た血管腫でしたが、当時は有効性の高い治療が無く、合併症に注意しながらステロイド内服を行っていた事を憶えています。

 

 その後、色素レーザー(Vビーム)の開発や、β遮断薬(内服や外用(外用は国内未承認))の有効性も見出され、現在は治療選択肢が増えました。

 

 この疾患は乳児期に急速増大するので、見つけたら早期にレーザーや薬物治療を開始するのが良いとの意見があります。

 

 一方、数年後には自然消滅するケースが多いので、経過観察で良いという意見もあります。

 

 後者の場合、血管腫がある程度消失したとしても、皮膚の質感が変わったり、萎縮性瘢痕として残る事もあるので、経過観察が必ずしも良いとはならない場合もあります。

 

 機能的に危険性の高い部位や、見た目に大きな影響を与える血管腫については、積極的治療を行っても良いのではと思います。

 

 福田

 

 

 

 

 

 

 

 

 新型治療器ソフウェーブの話題です。

 

 まだ国内での症例数は限られていますが、先端部の小さいアプリケーターが開発された事により、眼瞼部のソフウェーブ治療に対する安全性と有効性の検証が始まっています。

 

 私自身、まだ直に小型アプリケーターを見た事がありません。メーカーから頂いた資料では、かなり眼瞼部にもフィットする形状のように見えました。

 

 フラクショナルレーザーに比べてダウンタイムが無いのが、ソフウェーブの大きな利点の1つです。

 

 眼瞼部のエイジングケアは、多くの方が意識される部位です。美容外科手術も多く行われている部位ではありますが、全員が手術を許容出来るわけではありません。

 

 この新しい治療に、引き続き注目していきたいと思います。

 

 福田

 

 

 

 

 学会最後のブログになります。

 

 会場内には例年、関連業者が一堂に集まったブースが出来、自由に見学出来ます。

 

 以前は、国内の代理店や欧米メーカー、日本の化粧品メーカーなどが大きなブースを出していましたが、今年目立っていたのは、それらに加え韓国メーカーでした。

 

 当院のボルニューマーを販売しているメーカーや(本国から応援のスタッフが来ていました)、類似機器を販売しているメーカーには大勢の先生が集まって、熱心に話を聞いていました。

 

 革新的な治療機器や薬剤は、主に欧米や日本から登場します。一方韓国メーカーは、それらの特許等が切れた製品、または類似の製品を高品質に且つ先発より安価に供給してくれる強みがあります。

 

 今後もこの流れは続くと思われますので、私自身、臨機応変に色々なメーカーの製品を吟味して、良い美容医療を提供出来るよう努めていきたいと思います。

 

 福田

 学会では、私より先んじてソフウェーブ治療を開始された経験豊富な先生方からの報告もありました。

 

 詳細は記せませんが、シワやたるみ治療に用いられている他のメジャー治療(サーマクール、ウルセラ)と比較して、再治療率(ご本人の意思による、能動的な治療です)は最も高かったデータが示されていました。

 

 サーマクールは皮下治療が主体となる為、真皮の加齢変化が強い方には物足りない治療になる可能性があります。

 

 ウルセラは筋膜治療が主体となる為、やはりサーマクール同様の事が言えます。

 

 当院の再生医療:血小板療法が高いリピート率なのは、真皮の大きな改善を狙っているからだと捉えていますが、まさにこの事がソフウェーブにも当てはまるのだと思います。

 

 当院も、引き続き経験を積んでいきたいと思います。

 

 福田

 美容医療には様々なジャンルがあります。その中で、常に革新的な進化を遂げているのが機器を用いた治療です。

 

 2024年現在、特に注目を集めている機器の1つが皮脂腺抑制レーザーです。

 

 今夏の学会では、初めて会場で実機を見て、直に触る事が出来ました。

 

 大きさは他のレーザーと大きく変わらず、先端部の冷却装置も適切な安全装置が内蔵されていました。

 

 開発経緯を海外の先生の講演から知りましたが、大規模な米国の軍事施設も一役買ったそうです(この施設で、最適な波長を調べる為の実験を行ったらしいです)。米国のスケールの大きさを感じさせるエピソードですね。

 

 当院でも問題無く取り扱えるようなレベルの機器でした。

 

 ただし、以前からお伝えしているように、治療毎に発生する固定コストが非常に高額です。開発費等を考えるとやむを得ないと思う反面、岡山での診療に使うのは治療費のハードルが高いと感じます。

 

 日本と米国の医療事情の差としか言いようがありません。

 

 福田

 先日参加した学会にて、エクソソームに関する専門的な講演があったので聴いてきました。

 

 講演されたのは、基礎研究や創薬研究をされている、大学の先生方です。

 

 現時点での情報としてですが、エクソソームとして販売されている製品は全て研究用製剤であり、公的に認可された製剤は1つも無いという事でした。

 

 商業的にエクソソーム関連製品が医師向けに販売されている事自体は違法なものではありません。しかし国の規制が2年以内に何らかの形で発表される可能性はあるとの事でした。

 

 エクソソームは細胞間同士のコミュニケーションツールとして、詳しい研究がどんどん進んでいるようです。ただし、美容医療分野の検証は、本当にまだまだこれからです。

 

 認可されていない製品しか市場に存在しない為、そして、どのようにエクソソームが皮膚の再生に関与しているか不明の為、まだこれらの製品には手を出さない方が良いと、講演を聞いた私自身は判断しました。

 

 福田

 

 

 8月31日(土)と9月1日(日)の2日間にかけて、名古屋で開催された学会に参加してきました。

 

 台風10号が猛威を振るっていた為、半ば諦めかけていたのですが、新幹線が名古屋までは動いていたので助かりました。(逆に、名古屋ー東京間は学会が終わる時間帯まで不通になっていました。残念ながら関東方面の先生の多くは、不参加やオンラインでの講演になってしまいました。)

 

 新型コロナによるやむを得ないオンライン参加や、私自身のコロナ感染による不参加を経て、2020年以来(この年は学会発表があったので、東京へ日帰り参加)のリアルな学会参加となりました。

 

 さて今回の最大の目的は、皮膚レーザー治療の歴史を作られたロックス・アンダーソン先生の講演を直に拝聴する事でしたが、その目的は無事に果たせました。

 

 今や我々にとって当たり前のように使っているQスイッチレーザーや脱毛レーザーを開発されたのが、ロックス先生やそのラボで仕事をされた先生方です。

 

 私自身、この分野のレーザー治療を仕事として始めたのが2004年からなので、今年が節目の20年になります。そのような年に講演をお聞き出来た事は感慨深いものがありました。

 

 福田

 本日30日(金)は、台風10号が岡山県に影響を及ぼしている為、ご予約を前倒しして対応させて頂きました。

 

 診療が終了した17:00時点で、クリニックの診療を終了させて頂きます。(当ビルの商業施設は14:00で閉店しております。)

 

 これ以降はスタッフが帰宅しますので、窓口での販売や電話対応が不可となります。ご迷惑をお掛け致しますが、ご承知下さい。

 

 明日は学会参加(出来るのか分かりませんが)に伴い、終日休診となります。スタッフも出勤しませんので、お電話や窓口での販売も対応出来ません。

 

 皆様におかれましては、台風が過ぎ去るまで、安全にお過ごし頂ければと存じます。

 

 以上、よろしくお願い申し上げます。

 

 福田

 

 

 今般の台風10号の接近に伴い、明日の岡山市内の小中高は臨時休業が決まりました。

 

 当院は通常診療の予定です。

 

 この週末は、名古屋で学会に参加する予定だったのですが、新幹線が動くか不透明になってきました。(現時点では無理そうな気がしています。)

 

 天気予報を見ても、台風はのろのろしているので、影響は避けられそうにありません。

 

 明日も天気予報を頻繁にチェックしながらの診療となりそうです。

 

 福田

 

 

 前回の続きです。

 

 海外のスピロノラクトンを用いた女性の脱毛症の治療成績を複数の論文から解析したデータによりますと、改善率は約57%(外用剤ミノキシジルとの併用した方は66%で、単剤での場合は43%)だったそうです。

 

 副作用は数%程度とあり、頭皮の痒みや月経不順、他の部位の硬毛化などが記載されていました。

 

 単剤での有効率は残念ながらそれ程高く無いので、トライアル的な治療薬として位置付けられそうです。(実際、現時点において、米国や日本では脱毛症の薬剤としては認可されていません。)

 

 論文では人種や遺伝的要因による、治療効果のばらつきも検討課題として挙げられていました。

 

 男性の内服薬は白人とアジア人では治療効果に差があると言われています。スピロノラクトンにもそういった差があるのかもしれません。

 

 国内において、詳しい治療効果の報告などが今後あるようでしたら、処方を検討したいところです。

 

 福田