ももスキンケアクリニック院長ブログ:一期一会

ももスキンケアクリニック院長ブログ:一期一会

 ももスキンケアクリニックは、岡山県岡山市の美容皮膚科クリニックです。
 このブログを通じて、院長自身の言葉で、美容皮膚科の現在をお伝えしていきたいと思います。

 皮膚老化に関する再生医療は、主に当院で行っているPRP療法や、脂肪由来の幹細胞を培養(もしくは培養せずに分離投与)する方法等が行われています。

 

 幹細胞を培養する方法は、専門の会社に依頼すれば、当院のようなクリニックでも受けてもらえるような時代に入っています。

 

 皮膚老化治療に関してはまだ始まって数年といった状況ですので、歴史の長いPRPのような症例報告がそれほど出てきません。まだまだ比較すると、大変高額な治療法でもあるので、私自身としてはPRP療法を第1選択として推奨しています。

 

 幹細胞治療の将来性は非常に有望と思います。しかし、幹細胞そのものが皮膚内で最大効果を発揮する治療法の開発には、まだまだ十分な余地がありそうです。

 

 専門家の先生方の報告を引き続き待ちたいと思います。

 

 福田

 

 

 本日の外来では、ウイルス性のイボに悩まされている方を担当しました。(美容皮膚科の性質上、普段は殆ど診察していませんが、ご紹介で受診されています。)

 

 炭酸ガスレーザーによる摘出が可能かどうかが受診された第1の理由でした。しかし、お話をお聞きすると液体窒素は試されていましたが、漢方薬ヨクイニンは試されていませんでした。よって相談の上、後者を優先して頂きました。

 

 経過は、少しずつ病変が縮小している状況でしたので、レーザー治療は保留して、ヨクイニンの継続治療となりました。

 

 液体窒素による炎症後色素沈着が強い為、レーザー治療を検討されたようですが、レーザーでこの副作用が生じないわけではありません。この点は注意が必要となります。

 

 ヨクイニンは体の負担が少ない治療ですから、試してみる価値は十分あります。

 

 福田

 重度のざ瘡や皮脂分泌異常に対して、欧米やアジア圏で数十年の実績がある内服薬イソトレチノインに関しまして、公知申請が認められなかった事を知りました。

 

 公知申請

(公知申請とは、日本と海外で販売されている医療用医薬品で、海外では使用が認められている効能・効果が、日本では認められていない(適応外薬)場合、海外での使用実績や根拠となる資料をもとに、有効性や安全性が広く医学薬学上知られていると認められている(これが公知と称されます。)として、臨床試験の全部又は一部(つまり、治験)を新たに実施しなくても効能・効果等の追加承認申請ができるように設けられた制度です。

 

 この申請制度を利用しようにも、そもそもイソトレチノインが国内で承認されていない為、最初から国内での臨床試験等を行わないと駄目というのが理由なのだそうです。

 

 保険適応への道は、引き続き閉ざされたままです。

 

 残念です。

 

 福田

 ニキビの原因については現在、複数の原因が関与している事が明らかになっています。

 

 食事に関しては、以前は関連が無いと言われていました。最新の考えでは原因となる可能性が研究者の中で指摘されています。

 

 チョコレートや油分の多いお菓子、過剰な糖質負荷等、個人差を考慮する必要性がありますが、生活指導の中に組む混む必要性があります。 

 

 心当たりのある方は、見直してみて下さい。

 

 

 ストレスに関しては、ざ瘡の患部から抽出された物質を測定する事により、関与が明らかになっています。

 

 ストレスの実際はお一人ごとに様々です。人間関係、試験勉強や受験、交代制勤務や長時間労働、季節の変わり目等、幾つも考えられます。

 

 私自身も心当たりのある原因が様々思いつきました。(特に研修医時代の不規則労働が一番酷かったです。)

 

 これらは直ぐに解消出来ない場合もありますので、適切な治療が重要になってきます。

 

 福田

 

 

 7月から始まった新しい治療ソフウェーブに関しまして、いろいろなご質問を頂いております。

 

 私自身が学会やセミナーを通じて知り得た情報に基づいてアドバイスを行っていますが、適応年齢についてのご質問もあります。

 

 先行して治療を行っている先生の中には、若年からこの治療を始めて問題無いと言われています。皮膚の内部が瘢痕(傷あと)になる治療では全くありませんので、私もこの点については同意出来ます。

 

 私自身としては、この”若年”を35歳前後に設定してアドバイスしています。この年齢より若い方であれば、よほど老化症状が早い方でなければ変化(効果)を自覚し難い事が予想されるからです。

 

 皮膚老化や日光(光)老化は、現実的に個人差がかなりあります。基準をお示ししながら、実際は個々の実情に合わせて治療を検討して頂くようにしています。

 

 福田

 本日の外来が終わりました。

 

 まだまだ岡山では猛暑が続いていますが、朝晩は比較的涼しくなってきたように感じます。

 

 1日の寒暖差が大きくなってくると、季節の変わり目特有の肌不調が顕在化してきます。

 

 私自身も、下肢のムズムズ感や顔面のざ瘡、頭部の毛嚢炎といった、普段は比較的落ち着いている皮膚症状が落ち着かなくなってきました。

 

 普段、皆様にお勧めしている適切な治療を自身にも施したいと思います。

 

 季節の変わり目は体に疲労が蓄積し易く、免疫力が不安定になってきます。体調にご留意頂きながら、連休をお過ごし下さい。

 

 福田

 

 

 NHKの情報番組で、顔面の骨萎縮によって生じるタルミに関する特集が放送されていました。

 

 40代以降の女性に生じる女性ホルモンの低下や、骨粗鬆症に関連しての内容でした。

 

 美容医療におけるここ数年のトピックが反映された形ですが、一般の方にも是非知って頂きたい内容が上手くまとめられていたと思います。(近隣の川崎医科大学総合医療センター婦人科の先生が、女性診療科の立場から分かりやすく解説されていました。)

 

 現時点で顔面の骨萎縮を予防出来る、はっきりしたエビデンスのある治療法はありません。

 

 しかし、全般的な骨粗鬆症の予防として、垂直方向に骨刺激を与える運動習慣や、カルシウム・ビタミンDに着目した食事習慣等を実践する事で、顔面の骨萎縮も可能な限り予防出来る可能性が示唆されています。

 

 今後の研究報告を待ちたいと思いますが、運動や食事が紫外線対策同様、美容医療にとっても重要なのだと考えさせられた内容でした。

 

 福田

 淡い色調の日光黒子やソバカスに対する痂皮レベルのレーザー治療は、ナノ秒レベルのQスイッチレーザーの場合(当院ではルビーレーザー)、照射後の炎症反応の強さから、積極的にはお勧め出来ない治療でした。

 

 一方、次の世代であるピコ秒レベルのQスイッチレーザー(いわゆるピコレーザー)は、照射後の炎症反応が、従来のレーザーに比べてかなり軽減されました。

 

 結果として、淡い色調の日光黒子やソバカスに対するレーザー治療の件数は大きく増加しました。

 

 この事はシミ治療外来における、大きな変化の1つです。

 

 しかし、あまりにも境界が不鮮明な対象だったり、炎症後色素沈着を高率に起こす可能性のある方(世代)には難しかったりと、必ずしも治療が出来る方ばかりとは限らないのも実際です。

 

 そのような場合は、ケースバイケースにはなりますが、いわゆるトーニング治療を工夫する事で対応したり、敢えて治療を行わずに経過観察を推奨しています。

 

 福田

 

 乳児期の体表面へ、急速に血管の塊が増殖する疾患が乳児血管腫です。

 

 私自身が研修医の頃、指導医の先生と一緒に、この疾患を担当した事があります。確か頭部に出来た血管腫でしたが、当時は有効性の高い治療が無く、合併症に注意しながらステロイド内服を行っていた事を憶えています。

 

 その後、色素レーザー(Vビーム)の開発や、β遮断薬(内服や外用(外用は国内未承認))の有効性も見出され、現在は治療選択肢が増えました。

 

 この疾患は乳児期に急速増大するので、見つけたら早期にレーザーや薬物治療を開始するのが良いとの意見があります。

 

 一方、数年後には自然消滅するケースが多いので、経過観察で良いという意見もあります。

 

 後者の場合、血管腫がある程度消失したとしても、皮膚の質感が変わったり、萎縮性瘢痕として残る事もあるので、経過観察が必ずしも良いとはならない場合もあります。

 

 機能的に危険性の高い部位や、見た目に大きな影響を与える血管腫については、積極的治療を行っても良いのではと思います。

 

 福田

 

 

 

 

 

 

 

 

 新型治療器ソフウェーブの話題です。

 

 まだ国内での症例数は限られていますが、先端部の小さいアプリケーターが開発された事により、眼瞼部のソフウェーブ治療に対する安全性と有効性の検証が始まっています。

 

 私自身、まだ直に小型アプリケーターを見た事がありません。メーカーから頂いた資料では、かなり眼瞼部にもフィットする形状のように見えました。

 

 フラクショナルレーザーに比べてダウンタイムが無いのが、ソフウェーブの大きな利点の1つです。

 

 眼瞼部のエイジングケアは、多くの方が意識される部位です。美容外科手術も多く行われている部位ではありますが、全員が手術を許容出来るわけではありません。

 

 この新しい治療に、引き続き注目していきたいと思います。

 

 福田