【ひさびさのマジメなヨガコラム】

私はヨガをはじめてから、自宅での自主練の期間が長く(約3年半くらい) その後は、インドのマイソールでの練習とケン先生が毎日指導をされていた時代の荻窪マイソールで育ったので、ほとんどヨガに関する「知識」というものを持たずにヨガの練習をしてきました。

何も分からず、何も考えず、ただひたすらにヨガを練習する機会に恵まれた事を、今となっては本当によかったこと、貴重なことと思っています。

ヨガの指導にたずさわるようになって、グルジやシャラート先生の本、グレゴール・メーレ、ジョンスコット、マシュー・スウィー二ーをはじめとしたシニアティーチャーの本を読んだり、解剖学についての勉強をしたりもしましたが

本当に日々のクラスやワークショップの時に伝えることができる事というのは、毎日の実践や経験の中から得たこと、そしてクラスをしていく中でいろいろな生徒さんたちと共に練習をする事の中から学んだように思います。

(そもそも、日々の実践がなければ本や教典に書いてある事については、本当の意味では理解ができないと思うのです。そして、自分の練習を通して得た事と同じか、それ以上に他の人の実践を見たり手助けしたりする事から学ぶ事は多かったように思います。)

師曰く、「短期間に習得した知識は短期間の間にかかんかんたかんたんかんたんに簡単に忘れる」(Sharath jois)

それは、「99%practice 1% theory 」というグルジの言葉に如実に表現されていると思うのです。

実践を通して得た知識のみが、本当の自分の身に(実にも)なっていく。

アタマで得た知識はすぐに忘れるけれども、自分の身体を使って汗水流して得たことはなかなか忘れません。むしろ身体が覚えている。

知識を先に与えるという事が、指導者のあり方として正しいのかどうかを自問する事もあります。もしかしたら、それは伝統的なインドのヨガの伝え方ではないのかもしれません。

それにもかかわらず、ワークショップなどを開催してアレやコレやといろいろな事を伝えたいという気持ちが起こるのは、

この夏に毎日毎日一時間にも渡ってシャラート先生がお話ししてくれたプライマリシリーズに関するお話しや、の内容が素晴らしいかったから。

それは、自分ひとりの中に留めておく知識としてはあまりにも貴重で、もったいないもののように感じているのです。

次回のヨーガセラピーとしてのアシュタンガヨガ 理論と実践のインテンシブ講座は 

「プライマリシリーズの核(コア)ー前屈とツイストのワークショップ」

今週末の12月17日 土曜の 9~12時にIYC表参道スタジオで開催いたします。

http://www.iyc.jp/news/iycinstructor/p32461

今回はプライマリシリーズをセラピーとしてポーズの実践をしていく時の鍵となる、前屈とツイストを中心とするシッティングポーズをテーマとして取り扱います。

セラピーという視点を持ってプライマリを考察する場合、シリーズの中でも最も重要になる部分です。

各ポーズには、病気の治癒や改善、内臓器官を浄化するための効果的なポーズのとり方があります。

それはアシュタンガヨガに特有のものであり、とても心身に対する働きかけの強いものです。

その他にも、講座の中では前屈やツイストの際の肩甲骨、背骨や骨盤の使い方と整え方、呼吸とバンダをポーズとリンクさせていくこと、身体の持つ治癒力を高めるポーズの取り方や、解剖学的な知識を中心にお伝えする予定です。

何かと忙しい師走の週末ではありますが、ぜひいらしてくださいませ。

蛇足のようですが、最後に敬愛してやまないクリシュナマチャリアの言葉を。

「理論を伴わない実践は間違った方向へ行きやすい」
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