今回で3回目となります。もう少しだけ、私なりの妄想のような説にお付き合いくださいね(οдО;)


前回出てきた、十二指腸から脂質摂取により分泌される消化管抑制ホルモン。『グルコース依存性インスリン分泌刺激ポリペプチド GIP』

特徴&作用としては、
1半減期が5分と短い
2胃酸の分泌抑制、胃運動の抑制による栄養素の消化吸収抑制&遅延
3グルコース刺激に対する初期のインスリン分泌促進があります。

で、糖尿人としての私としては、気になるのが23の作用。

まず、2についてですが、栄養素となるのは、先行摂取した『脂肪』、後発摂取した『糖質』になるわけで、
脂質摂取により、胃酸の分泌が抑えられ、胃運動が抑制されることで、分解&吸収の早い『糖質』も、『少しずつ』の『ゆるやかな吸収』になり、食後の高血糖『グルコーススパイク』は小さくなり、
その反面、即座に吸収しきれなかったため、残りの糖質が、時間が経っても少しずつ吸収される。結果として食前血糖値に下がるまでに時間がかかる。

これを考えた上で、『急激に糖質が吸収されないためグルコーススパイクは低いから、血管壁へのダメージは低い』
ただ、
『食前血糖値まで落とすのに時間がかかるため、膵臓β細胞は長々とインスリン分泌しなくてはならないのでは』
という仮説に至りました。まあ、追加インスリン分泌大量に出す場合がと、ちまちまインスリンを長く出す場合、どちらが膵臓β細胞にダメージが大きいかは調べようがなかったのがあれですが(~ヘ~;)

まあ、どっちにしても『膵臓は頑張らないといけない』という意味では、消化管抑制ポリペプチドの働きで血糖値ピークを抑えても『膵臓β細胞』に対してはやさしいことではなさそうかな。
ただ、血糖値ピークが低くなることは、血管内壁に対しては『やさしくて』、俗に言われる『高血糖そのものによる膵臓β細胞へのダメージ』は抑えられるかなという仮説持論にしておきます。



で、今度は3について考えてみます。

初期のインスリン分泌促進作用は、かなり有効な気がします。
血糖値が大火事レベルの高血糖になる前にインスリンによる『初期消化(血糖降下)』をしてくれるわけですから、先に述べた『高血糖による血管内壁へのダメージ』は軽減しやすくなりそうです。
まあ、半減期が5分ですから、ほんとに短い間なのが『玉に瑕』なんですが(~ヘ~;)
もしかしたら、インスリン分泌促進を長時間続かせないことで、血管内が高インスリン状態に移行しないための生体のセーフティ機構かもしれませんが、想像の域ですね(笑)


まあ、インスリン初期促進は助かりますが、ここで問題が1つ。

このGIPによるインスリン分泌刺激。
『脂肪細胞』によるグルコースの取り込みを強めてくれちゃうんです。(Miyawkiら 2002)

血中のグルコースはインスリンの働きによって、『脂肪細胞』に中性脂肪として貯蓄されます。そして、栄養として小腸から吸収された脂肪は、たんぱく質とコレステロールでできた『袋』に包まれた形で血液中を運ばれていき、細胞表層の『リポタンパクリパーゼ』という酵素で、『脂肪酸とグリセロール』に分解し、脂肪細胞に取り込んだ後で中性脂肪に再合成して貯蓄します。

つまり、GIPはこのリポタンパクリパーゼ活性を高める作用もあるため、『脂肪細胞に対しての代謝に強く反応する』=『GIPにより分泌促進されたインスリンは脂肪細胞に対して働き掛けやすくなっている』のではないかというのが二つ目の私的妄想仮説です。

GIPによるインスリン分泌促進は高血糖を抑えてくれるけど、『脂肪細胞の肥大=肥満』させてしまう可能性もはらんでいるのでは?

まあ、結局のところ『糖質の行き先が筋肉か脂肪か』という話で、
『やっぱり糖質取らなければいい話やん!』と怒らないでくださいねm(__)m
あくまで、脂肪摂取による糖質吸収遅延が行き着く先としての想像考察ですので悪しからず。

まだもう少しだけ続きますので、温かく見綴っていただけると幸いですm(__)m

次回に続く。