村上龍さんの「無趣味のすすめ」幻冬舎文庫 | 生きている間にやりたいことをやろう!コーチたき坊のブログ

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「好きなこと、ワクワクすることを生きている間に一つずつやる」をモットーに同じような思いを持つ方を支援するコーチ。2022年ワタナベ薫さん主催のMCCコーチ養成スクール第1期修了。好きなこと、ワクワクすることをやりたい方の背中を押します。

2024.3.4おはよう御座います😃
3年前の今日のフェイスブック📚読書記録から転載します🐰
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2021.3.4 こんばんは🍃先日から読み始めた村上龍さんの「無趣味のすすめ」幻冬舎文庫457円+税を読み終えました📚2021年読書記録33冊目。以下本書から一部引用します。〜〜〜〜〜〜〜
大雑把に言うと、現在の日本は、数パーセントの経済的勝者と、約2割から3割を占める生活困窮者、そして残りの、ゆっくりと衰退する膨大なグレーゾーンで構成されている。その構成はほぼ固定化してしまっていて、この先も流動化するとは思えない。それが徒労感の主な原因なのだと思う。ワーキングプアに代表される生活困窮層が経済的勝者に這い上がれる可能性はゼロに等しく、グレーゾーンに属する人々も、この先生活を向上させる事は極めて難しい。理由ははっきりしている。まず、政府には全く期待出来ない。財政が火の車で、再分配機能が麻痺している政府が生活困窮層を救うのは絶対に無理だ。それに多くの企業は基礎体力がなくなっていて、大量の新卒を採って1から教育、訓練を施すという余裕が無い。優良な企業ほど、即戦力となるような資格や高いスキルを持つ人材を欲しがるが、そういった高度な知識やスキルを得ている人は非常に少ないし、高度専門職はそもそも絶対数が少ない。だから、私は一体誰に向けてエッセイを書けばいいのか、途方に暮れる事がある。私がここに書いたような事は、経済的勝者からすれば当たり前の事で、今更何を、という感じで読まれるだろう。経済的敗者にとっては、「こんな事言われたって具体的にどうしろって言うんだ」という感じで、有用だとは思えない。
作家としてデビューして35年経つが、これまではエッセイを書く事に徒労感を覚える事はなかった気がする。息苦しい閉塞と、緩慢な衰退の時代、きっと有効なのはエッセイでは無く、モラルも常識も吹き飛ばす虚構としての小説なのかも知れない。〜〜〜〜〜〜
以上引用終わり。
本書は、2009年3月に幻冬舎から刊行された単行本に、幻冬舎の「GOETHE」という雑誌に村上龍さんが連載したエッセイ(2009年5月〜2011年3月)を追加して再構成した作品です。61個の短めのエッセイに、村上龍さん独自の観点で、鋭い意見、提言を述べています。今から10年以上前のエッセイですが、現在でもそのまま通じる原理原則的な内容です。
無趣味のすすめ、夢と目標、仕事と時代のパートナーシップ、品格と美学について、後悔のない転職、「好き」という言葉の罠、効率化とゆとり、会社は誰のものか、仕事と体調管理、支持政党無しの理由、「契約」という概念、語学の必要性などなど。
幅広いテーマについて、村上節が炸裂します。
興味ある方は、是非お読み下さい📚🎄