The Eagle
■製作
アメリカ/イギリス(2011)
監督:ケヴィン・マクドナルド
脚本:ジェレミー・ブロック
原作:ローズマリー・サトクリフ「第九軍団のワシ」
■主な出演
チャニング・テイタム、ジェイミー・ベル、ドナルド・サザーランド
■あらすじ
紀元120年、ブリタンニアに侵攻したローマ軍最強と称される第9軍団が名誉の象徴「黄金の鷲」とともに姿を消した。それから20年後、第9軍団の指揮官フラビウス・アクイラの息子マーカスがブリテン島の砦に隊長として赴任する。しかしドルイドとの戦いの末に重傷を負い、軍人生命を断たれてしまう。療養のため叔父宅で過ごしていたマーカスは、ある日、ブリガンテス族の生き残りで今は奴隷のエスカと出会う。生きる目的を失い、無気力に過ごしていたマーカスは「このまま朽ち果てるくらいなら。」とエスカを伴い「黄金の鷲」を探しに島の北端へと向かう。
■感想
イギリスの歴史ファンタジー小説家ローズマリー・サトクリフ著「第九軍団のワシ」を映画化。ローマ軍最強と称された第九軍団の名誉の象徴である「黄金の鷲」の謎と父子の絆、そして友情(人と人との信頼関係?)を描いている。
中国をはじめ、東アジアの古代史には比較的触れてきていると思うんだけど、西洋の方はあんまりというのもあって、たまには古代ローマもいいかもね!と鑑賞。
しかし古代ローマはあんまり関係なかったね。主人公マーカスはローマ人だけど、舞台の殆どがブリタンニア(ローマ帝国が現在のグレートブリテン島南部に設置した属州)なので。
そんで、いろんな意味ですごい地味!出演者に女性がいないわけではないけれど99 .8%は男性だから華やかさは皆無。
また古代ローマ時代ではあるけれど史実を描いているわけではないので(そもそも原作が史実から着想を得たフィクションである。)歴史ドラマを期待した人や基本的に歴史が苦手という人が観て面白いと思うかな?ってのは、鑑賞中に感じました。
ただ個人的には、後半のスリリングな展開とエスカの忠誠に少し感動したのとで、全体的に楽しめたかな。まぁいずれにせよ、万人受けはしなそうよね〜。
紀元120年、ローマ軍最強と言われる第九軍団の兵士5000名はフラビウス・アクイラ指揮のもと、ローマ軍名誉の象徴である「黄金の鷲」を掲げてカレドニア(現在スコットランド)に進攻するが、彼らはそのまま消息を絶つ。
皇帝ハドリアヌスはブリトン人の南下を防ぐため防壁を建設。以後、「ハドリアヌスの長城」はローマ帝国支配圏の最北端において「この世の果て」と呼ばれるようになる。
その20年後、誇り高きローマ軍人として成長したフラビウス・アクイラの息子マーカス(チャニング・テイタム)はブリテン島(現在イングランド)の南西部にある小さな砦に赴任する。
赴任してまもなく、ケルト人に砦を襲われ勇猛果敢に戦ったマーカスは、その功績を称えられたものの足に重傷を負い軍人生命を絶たれてしまう。
生きる目的を失ったマーカスは療養のため、父方の叔父(ドナルド・サザーランド)の屋敷で無気力に過ごしていた。
そんなある日、叔父に連れていかれた闘技場で奴隷戦士のブリトン人エスカ(ジェイミー・ベル)の命を救う。
エスカはローマ人を憎んでいたが、命の恩人であるマーカスに忠誠を誓い、奴隷として仕えるのだった。
そんな時、ブリテン島北端の神殿に「黄金の鷲」があると噂を聞いたマーカスは、父の汚名を晴らすため、また自らの生きる誇りを手にするため、エスカを伴い、ハドリアヌスの長城を超えて危険な北の荒野へと向かう旅に出るのだが…。
第九軍団(第9軍団ヒスパナ)
ローマ軍団の一つ。ヒスパナ=ヒスパニア人の部隊。皇帝マルクス・アウレリウス・アントニウス治世に起きたバル・コクバの乱で消滅したと考えられている。
ハドリアヌスの長城
ローマ帝国はブリタンニアまで領土を拡大させたが、ケルト人の侵攻に悩まされていた。そこで防壁のため建設したのが118キロメートルにも及ぶハドリアヌスの長城である。しかし、実際のところは第九軍団がピクト人の攻撃で大打撃を受けたことが建設の原因ではないかと言われている。
ブリタンニア
古代ローマが現在のイギリス南部に設置した属州のひとつ。住民はケルト系ブリトン人。
ブリガンテス族
本作ではエスカがブリガンテス族。古代ローマ時代、ブリタンニア北部に居住していたケルト系の一部族。皇帝アントニウス・ピウス治世でローマの支配下に下るまで、たびたびローマとの間に反乱が起きた。
アザラシ族
ケルト系民族。本作では北の部族と言っている。実際は、伝説の域に過ぎない?実在したかが不明。
アザラシ族といえば!この人たち、ほんと怖かった〜。全身グレーだから、最初、石像かと思って違う意味で「怖っ!」となったんだけど。しかも全員走るの早くてさ〜、馬に追いつくってどんだけだよ!