見つからない言葉 (百之喜)
今回もたろちゃん出てきませんww゚・*:.。..。.:*・゚゚・*:.。..。.:*・゚ ゚・*:.。..。.:*・゚゚・*:.。..。.:*・゚ ゚・*:.。..。.:*・゚゚・*:.。..。.:*・゚ ゚・*:.。..。.:*・゚゚・*:.。..。.:*・゚ たろちゃんの両親が亡くなった。同じ日に、別々の場所で…。そのときのわたしはまだ中学生だったから、「人が死ぬ」ということがよく分かっていなかった。ただ、たろちゃんが辛い想いをしている、ということだけは分かっているつもりだった…。゚・*:.。..。.:*・゚゚・*:.。..。.:*・゚ ゚・*:.。..。.:*・゚゚・*:.。..。.:*・゚ ゚・*:.。..。.:*・゚゚・*:.。..。.:*・゚ ゚・*:.。..。.:*・゚゚・*:.。..。.:*・゚ ご両親が亡くなったあと、たろちゃんはしばらく学校を休んだ。両親をいっぺんに亡くしたのだ、精神的ショックが大きいのだろう。「たろちゃん、早く元気になるといいねー」蓮くんがいつもの調子で言った。「たろちゃん、元気になるかな…」わたしが不安げに言うと、智くんが「何言ってんだよ、元気になるに決まってんだろ‼」と言った。その言葉に俊くんとあっちゃんが頷いた。「でも、しばらく太朗の家に行くのはやめよう」「そうだね。心の整理をする時間が必要だから」俊くんとあっちゃんの言葉に、わたしは力なく頷いた。「愛花がそんなかおすんなよ」「そうだよー。愛ちゃんが笑ってないと、たろちゃんも心配するよー」わたしは無理をして、少し笑った。みんな、作り笑いだと分かっていただろうけど、何も言わずみんなも笑った。゚・*:.。..。.:*・゚゚・*:.。..。.:*・゚ ゚・*:.。..。.:*・゚゚・*:.。..。.:*・゚ ゚・*:.。..。.:*・゚゚・*:.。..。.:*・゚ ゚・*:.。..。.:*・゚゚・*:.。..。.:*・゚ みんなとは「しばらく、たろちゃんの家に行くのはやめよう」と決めたけど、心配になって、みんなには内緒で百之喜家を訪れた。インターホンを押しても、何の応答もない。帰ろうかと思ったけど、何だかこのまま帰ってはいけない気がして、「お邪魔します」と言って家に入った。゚・*:.。..。.:*・゚゚・*:.。..。.:*・゚ ゚・*:.。..。.:*・゚゚・*:.。..。.:*・゚ ゚・*:.。..。.:*・゚゚・*:.。..。.:*・゚ ゚・*:.。..。.:*・゚゚・*:.。..。.:*・゚ たろちゃんは庭にいた。おばさんが大事にしていた庭…。いつも綺麗な花が咲いていた。たろちゃんはそこで泣いていた。わたしは何も言わず、その場を立ち去った。かける言葉が見つからなかった。好きな人が悲しんでいるときに、わたしは何もできなかった。それが、とても悔しい…。