訪問先 芙蓉鎮(Fúróng zhèn)その③ 〜映画『芙蓉鎮』上編〜
訪問日 2022年7月16日(土)~18日(月)
芙蓉鎮だが、1987年中国で公開された映画『芙蓉鎮』のロケ地。
私はこの映画のタイトルは知っていたが、この芙蓉鎮へ来るまで見たことがなかった。
近年、非常に便利なもので、心優しい(?)人が映画全編をユーチューブにアップしくれたりしている。本来、ユーチューブでタダ見はよくないのだろうが。。。
芙蓉鎮巡りで、映画に出てきた風景を今でも見ることができる。まずは、予習ということで映画『芙蓉鎮』の内容をまとめます。
尚、このようなまとめブログはNGというのなら、ご指摘お願いします。
では行ってみましょう!
では見てみましょう!
映画の冒頭。『芙蓉鎮』と書かれている。
この映画の監督は謝晋(Xiè Jīn)だ。以前、上海にある”上海電影博物館”へ行った際、この映画監督が”謝晋”であることを知った。
*上海電影博物館へ行ったときのブログ。クリックしてみてね!
時代は1963年。
主人公である女性の胡玉音は、夫の黎桂桂は米豆腐店を営んでいる。
胡玉音は気立て非常によく、米豆腐店は大変に繁盛している。右の男性は古燕山というが、この映画の中心人物の一人だ。
一方、こちらは胡玉音の米豆腐店の近所にある、国営の食堂(飲食店)だ。
国営の食堂にはお客さんが一人も入っていない。
国営の食堂の幹部の李国香は、繁盛もしており顔立ちも良い胡玉音に嫉妬。米豆腐店にやってきて「営業証があるかチェックしに来た」と胡玉音に詰め寄る。
李国香が胡玉音に詰め寄った日の午後。こちらは村の中心となる建物。その前では…。
党員の一人・黎満庚が五類分子を集めていた。五類分子の一人・秦書田が「報告します。芙蓉鎮の五類分子全員集合しました」と報告をしている。
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蛇足だが、、、
1956年春、毛沢東は「百花斉放(ひゃっかせいほう)百家争鳴(ひゃっかそうめい)」という、芸術や文化や科学の分野でより自由な活動を認めようという趣旨だ。ワイルドスワン(ユン・チアン著)には、その運動は「戦後の復興期以降の産業発展を目指すために国家として知識人の力を動員する必要がある、という党の考えに基づく政策」だったという。共産党は、遠慮せずに批判を口するよう推し進めた。
だがこの政策だが、
*百花斉放百家争鳴に関するwikipediaさんの説明。
1957年、毛沢東は講和のなかで「右派分子が共産党と中速の社会主義を傍若無人に攻撃した。右派は知識人全体の1%~10%ほどにあたり、これらの者たちを粉砕しなければならない」と語り、反右派闘争が始まり、共産党批判を行った者は次々と右派のレッテルを張られ、文革が終わるまでの約20年間苦汁をなめることとなった。
尚、この政策の真の意図は「引蛇出洞(蛇をねぐらからおびき出す)」という点であり、毛沢東は自身に対立する可能性のある人間をあぶり出すという意図があった。
劇中の秦書田は、知識人であり党への批判をしたことで、1957年の反右派闘争で“右派”のレッテルを張られ、黒五類(地主、富農、反革命分子、破壊分子、右派)として差別を受けることとなった。
*黒五類とは何か?wikipediaさんによる説明はこちら。
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時間が経ち、胡玉音らの夫妻の米豆腐店は繁盛し、家一軒を建てる。この場面は、新築祝いで村の人たちからお酒を勧められ飲んだ胡玉音は(酔っぱらって)「みなさんに挨拶ができないので、頭を下げて皆さんにお辞儀をします」と言って、村の人たちは爆笑する。
家を建てて喜んでいるのもつかの間。李国香がやってきて米豆腐の原料の米はどう仕入れているのか?米豆腐店の収入は、省クラスの幹部の給料に相当する、と胡玉音を揺さぶりをかける。新しい闘争の幕開けと繋がる。
人民公社の帳簿・倉庫・財産物資・労働点数の四点を清浄化することで、汚職や官僚主義を追放する運動「四清(しせい)運動」が始まった。
村の集会の場で、資本主義の道を歩むものとして李国香は胡玉音ら夫妻を遠回しにつるし上げる。
集会が終わったあと、家に着いた夫の黎桂桂と妻の胡玉音は今後の生活に不安を覚え、いかに批判を交わそうかと思案する。
村のなかでも気立てがよく人気者であった胡玉音だが、村の人たちから避けられるようになっていった。村の人たちは“関わることで、何か関係があると周りかから思われた結果、自身が批判の対象となり、つるし上げられる”を恐れたためだ。
家が没収されるかもしれないと不安から胡玉音は昔の恋人、今は芙蓉鎮の党幹部の黎満庚へ財産の1500元を預ける。
そして胡玉音は批判から逃れるため、夫の遠縁の広西へと人目をさけ芙蓉鎮を後にする。
だが、黎満庚は身の保全のため、胡玉音から預かった1500元を李国香へ渡してしまう。
李国香の追求は谷燕山に及ぶ。
李国香は谷燕山に対して「新ブルジョワ分子の胡玉音へ国の米を売った」と詰め寄り、、、
そして、李国香は「国の財産を勝手に売り分けるのはこの四清運動の典型的な例」だという。
色々なところに李国香の追求が及ぶなか、胡玉音の夫は李国香を包丁で殺そうとするが失敗。
一方、広西の遠縁に身を潜ませていた胡玉音だが長居ができないことを悟り、、、
芙蓉鎮へと急いで戻ることに。
夜芙蓉鎮に着くと、新居が「芙蓉鎮階級教育展覧会」へと変わっており、胡玉音は異変に気が付く。
隣人に尋ねると「谷燕山はお前の巻き添えを食って捕まった」という。
村の幹部の一人でもありお金を預けた黎満庚の家に行くと、黎満庚は自己批判の学習のため県の役所へいってしまったといわれた。
胡玉音が「夫はどこに?」と聞くと、黎満庚の妻は重い口を開き「一か月前、墓に行ったよ」と。
村の墓地へ行き、胡玉音は夫の名前を叫び泣き崩れる。
胡玉音の後をつけてきた右派分子の秦書田は胡玉音に「お前はすでに新ブルジョワにされてしまったよ」と。
ここで」上編が終わり。
下編へと続く。。。