呪いのブレスレット61 | HAPPY DAY

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☆ベリーズ文庫(現代・ラブファンタジー・異世界レーベル)マカロン文庫・コミックベリーズ・マーマレード文庫・マーマレードコミックス・LUNA文庫・夢中文庫・ネット文庫星の砂にて執筆させていただいています。

2人に迫る危機

談話室に移動し、ひかりがいるのではないかと神経を張り巡らしていると、玲奈が近づいてきた。

「亜美、さっきひかりがいたの?」

霊を見ることは出来ないが、さすが玲奈だ。

気配を感じたらしい。

「すごい嫌な感覚だったの。亜美は大丈夫?」

玲奈はあたしの目をじっと見て聞いてくる。

「うん。肝試し、やらない方がいいのかも……でも、こんなことみんなに言えないし……」

あたしはなにかが起こりそうで不安だった。

「そうだよね。特に小杉と田島先輩は気をつけなくちゃ」

玲奈はこくりと頷く。

「気をつけると言っても、それが出来ないのが心霊現象でしょう?」

今までだってそうだった。ひかりが殺そうと思えば、人は簡単に死んでしまう。


『ジャマヲシタラ、コロス』


再びその言葉が思い出される。
 

「実はね、拓磨さんから注意されていたんだけど、ひかりのブレスレットがいつの間にかバッグに入っていたの」

「ええっ!」

玲奈が驚きの声を上げる。

「兄貴から聞いているよ。あのブレスレットがここにあるの?」

「……うん。入れた覚えはないんだけど、そんなこともひかりは出来るの。あたしたちは操られてしまうの」

「兄貴に電話する! あっ! 携帯、預けているんだった」

しまったと言うように大きくため息をつく玲奈だ。

「あたしもなの」

あたしも携帯電話は顧問に預けている。

そうこうしているうちに、談話室のドアがピタリと締まり電気が消される。

太いロウソクがひとつ灯され、某タレントの怪談話がスピーカーから流れ始める。

意外とみんなは静かに聞いている。

あたしは電気が消される前に、小杉と田島先輩がどこに座っているか確認している。

2人は離れ離れに座っていた。田島先輩は玲奈のそばに居るから安心だ。

小杉はサッカー部男子と一緒にいた。あまり気乗りしない顔つきだった。



「きゃーっ!」

テニス部の女子の方から叫び声がした。

一瞬ドキッと心臓が暴れたけれど、どうやら隣に座る男子に驚かされたよう。

20分ほどで某タレントの怪談話は終わり、そのままテニス部男子の神社にまつわる怖い話が始まる。

おどろおどろしく話す怪談話に、嘘だと分かっていても寒気を感じてくる。

翔平が隣で手をぎゅっと握ってくれているのが頼もしい。

話しが終わり、これからくじ引きで順番を決めて、神社に置いたお札を取ってくる。

一同は外に出た。

テニス部が37人。サッカー部が30人。

2人で行くとかなりの時間がかかってしまうので、3人で行くことになった。

一番手はテニス部3年生の男子と女子2人の混合。

 

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