「Love Step」(283) | HAPPY DAY

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☆ベリーズ文庫(現代・ラブファンタジー・異世界レーベル)マカロン文庫・コミックベリーズ・マーマレード文庫・マーマレードコミックス・LUNA文庫・夢中文庫・ネット文庫星の砂にて執筆させていただいています。

「婦警さんが来てくれて良かったね」



背筋正しい女性が行ってしまうと香澄が口を開いた。




「うん びっくりした 突然座るんだもん」



「杏梨、大丈夫?あいつら、ちっともカッコよくないのに勘違いしてるよ 誰でも付いて行くと思ってんだからっ!」



怒りを吐き捨てるように言うと買ってきたコーラを口に入るだけ一気に入れる。




「香澄ちゃん・・・・・・」



香澄の怒りにたじたじだ。



気持ちを落ち着かせようと杏梨もジンジャーエールを一口飲む。



少し経つと店の中が空いてきた。



みんな花火を見に行ったのだろう。



それでも数組の浴衣のカップルは話に夢中なようで残っている。




視線を店内から出入り口の方に向けると、ファーストフード店の自動ドアが開いてちょうど雪哉が入って来た。




「ゆきちゃんっ!こっち♪」



立ち上がり自由になる左手を大きく振る。




雪哉も気づき軽く手を上げた。




「ゆきちゃん、お疲れ様です」




「こんばんは 雪哉さん」




香澄が立ち上がりペコッと頭を下げる。




「こんばんは 香澄ちゃん いつもありがとうね ところで、ボーイフレンドは?」




「ええっと、もうすぐ来るはずです」




出入り口の方へ視線を動かす。




杏梨も雪哉の背後を見る。




「あれ?・・・・・・遼平さんだ」




こんな所で会うなんて奇遇だななんて思っていると遼平が3人に近づいてきた。




「こんばんは 遼平さん♪遼平さんも花火を見に来たんですか?」




杏梨は偶然に会えて喜んだ。




「えっ?そ、そうなんだ」



雪哉は遼平より香澄の顔に視線を移した。




顔がこころなしか赤く見える。




「1人なんですか?」




「い、いや 待ち合わせなんだ」




杏梨の質問に戸惑い、遼平は頭をガシガシかく。




「じゃあ、そろった所で行こうか」




雪哉が言うと香澄がハッと顔を上げる。




「ゆきちゃん、何を言ってるの?香澄ちゃんの彼氏さんが来てないんだよ?」




杏梨が大きくかぶりを振りながら言う。




「あ、杏梨っ」




さっきより頬を赤くさせた香澄が呼ぶ。




「なあに?」




「お、俺が彼氏なんだ」
「りょ、遼平さんが彼なのっ!」




2人の言葉がかぶり杏梨はポカンと口を開けて見る。




「え?りょ?彼?」




はてなマークがいっぱいの杏梨の肩に雪哉の手が置かれた。




「本当に杏梨は鈍いな 香澄ちゃんの彼氏は遼平らしい」




雪哉が恥ずかしそうな2人の変わりに言う。




「え?えーーーーーーーーーーっ!?」




杏梨は驚いて2人を交互に見比べた。




続く



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