未必のマクベス※ネタバレあり | 都内アラサーOLのゆるゆる日記

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久しぶりに友人の結婚式へ出席するため、地元へ帰省したとき、席次表の名前が全員変わっていて、初めて東京に帰りたくなりました。独身が過ごしやすい街東京(知らんけど)。これからもお世話になります。

半年前に帯に書かれている文章に惹かれて購入した、

600ページ以上にわたる長編。


(前文省略)

ーーーそういう経験のある中年男性に本書をすすめたい

(前文省略)

ーーーそして友人のいない中年男性に本書をすすめたい


と書かれており、

加えてこれは、恋愛小説であり、犯罪小説であり、

経済小説であり、ハードボイルド小説ともいえると書かれており、分厚いながらも、面白さいっぱいの帯文章でした


長編ともあり、ちょこちょこ隙間時間を見つけて

読み進めて行くつもりでしたが、1/3に差し掛かったことには、そこからページを捲るのを止められず、一気に読んでしまいました。


私が今まで読んできた長編小説が、

最初はなかなか集中できず、中盤を過ぎたあたりから、

一気に物語にのめり込んで面白くなってくるのが多かったのですが、

未必のマクベスは最初から面白かった。


ここから先はネタバレ要素満載です!!!!


出世レースに興味ないけど、仕事はできる

他人に対して、嫉妬や羨望を一切しない

クールな主人公が、初恋の人をずっと思って、

パスワードを初恋の人の名前にしている、

純粋さというか、健気さとでもいうのでしょうか。


その描写にグッときて、そこから主人公が好きになりました。

長編ものって登場人物の中に推しや好きな人を見つけたら勝ちですよね!

その人の人生を知りたくて、集中力マックスでどこまでも読めてしまう。


そんな大好きな主人公だったからこそ、

最後の終わり方は非常に残念、、、


まぁ「マクベス」のストーリーに異常に執着していることや、

そもそもタイトルが「未必のマクベス」ということ、

極め付けは、唯一の同期である高木と飲みに行く際に

防弾チョッキを着忘れた時点で、

あぁもう死ぬんだなと思いました。

自ら物語を終わらせに行こうとしている感じが、

とてつもなく切なかったです。


できることなら、由紀子と東京で

渋谷のあのバーで再開してほしかったな。

会えるかどうかわからない人を、

ずっと待つ由紀子の気持ちを考えたら、胸が締め付けられます。

最後の由紀子と出会った鍋島が、

自分の気持ちを伝えず、優越感を隠し持っていたって何も手に入らないと反省するシーンも、上手くは言えないけれど、リアルな初恋らしくていいなと思いました。


作中に出てくる登場人物たちが、みんな魅力的で、

特に主人公中井優一の女性に対する話し方や対応が

あからさまに女性として見ているわけではないけれど、

フランクの中に、ジェントルマンらしさがあって、

こんな人が世にいうイケおじなのでは、、、と思います


ぜひ映画化されて、映像で中井優一をみてみたいです


もし映画化されるなら、一番に思いつくのは、

高木は小澤征悦さんしか思いつかないし、

読んでいる間もずーっと小澤征悦さんが頭にチラついてました。

出世レースにギラついていて、

森川に嫌われるような口の利き方をしながらも、

どこか憎めないところがある

でも最後の最後にしっかり自分のやることはやるところ

小澤征悦さんに演じてもらいたい、、、、


年齢はバラバラですが、

中井優一は、西島秀俊さん、堤真一さん

由紀子は、板谷由夏さん

鍋島は、中谷美紀さんかな、、、

こうやって好き勝手に俳優をイメージするの楽しい!


ずっと探していた鍋島がそんなに近くにいたとは、

最後のディナーでしか気づけなかったので、

もう一回始めから読み直したいと思います。


こんなに集中して読んだ長編小説は、

新堂冬樹さんのカリスマ、

中村文則さんの教団X以来です。

教団Xに関しては、読んで10年近く経ってるので、

再度また読み直したい作品の一つです。

次は文庫本で買い直したいと思っているくらい

心に響く文章がたくさん並んでいました。


いい本に出会うとすごく充実した気持ちになり、

胸いっぱいになります。


またこんな本と出会えるように、

見つけられるように、

これからもたくさんの本を読みたいと思いました。