読売新聞からです。

 

吉川元農相を在宅起訴へ…500万円受領「就任祝いだと思った」

1/12(火) 12:10配信

 

吉川貴盛・元農相(70)(議員辞職)が農相在任中に、大手鶏卵会社「アキタフーズ」(広島)前代表(87)から現金500万円を受け取ったとして、東京地検特捜部が近く、吉川氏を収賄罪で在宅起訴する方向で検討を進めていることが関係者の話でわかった。特捜部は前代表も贈賄罪で在宅起訴する見通し。

 

  関係者によると、吉川氏は農相だった2018年11月に200万円、19年3月に200万円、同年8月に100万円を前代表から受け取った疑いがある。

 

  前代表は、国際獣疫事務局(OIE)が18年9月に「アニマルウェルフェア(動物福祉)」の観点から飼育環境の整備を加盟国に求める指針案を策定したことを巡り、吉川氏に反対するよう要望していた。特捜部は、吉川氏に提供された500万円は、指針案への対応などで便宜を図ってもらう趣旨だったとみている。

 

  吉川氏はこれまでの特捜部の事情聴取に500万円の受領を認めた上で、「就任祝いや政治活動を応援するための資金だと思っていた」などと述べ、賄賂ではないと主張していたという。

 

  特捜部は昨年7月、広島地検と合同で、19年の参院選を巡る大規模買収事件の関係先としてアキタフーズを捜索。吉川氏が前代表から現金を受け取った疑いが浮上し、先月25日に吉川氏の国会事務所などを収賄と政治資金規正法違反の容疑で捜索していた。

 

  吉川氏は北海道2区から出馬した17年衆院選で6選を果たし、18年10月から19年9月まで農相を務めた。先月22日に健康上の問題を理由に議員を辞職。心不全などの治療のため、東京都内の病院で手術を受けた。特捜部は、吉川氏が現在も入院中で逃亡や証拠隠滅の恐れが低いことなどから、身柄拘束は不要と判断したとみられる。