毎日新聞からです。

https://mainichi.jp/articles/20181009/k00/00e/040/135000c

 

鹿児島の動物園 

ホワイトタイガーに襲われ、職員死亡

毎日新聞

 

飼育員襲ったトラ、殺処分せず 遺族「飼育して下さい」

古庄さんを襲ったとみられるホワイトタイガーのリク=鹿児島市提供

 

8日午後5時10分ごろ、鹿児島市平川町の鹿児島市平川動物公園から「職員がホワイトタイガーに襲われた」と119番があった。救急隊が駆けつけた時には、展示用の飼育室のおりの中で職員の古庄晃さん(40)=同市錦江台2=が首から血を流して倒れており、搬送先の病院で死亡が確認された。発見時は午後5時に閉園した後で、一般客など他にけが人はいなかった。

 動物公園などによると、園ではホワイトタイガー4頭を飼育している。古庄さんを襲ったとみられるのは5歳の雄の「リク」で、救急隊が到着した時には麻酔銃で眠らされた状態だった。古庄さんは午後4時半ごろから1人でホワイトタイガーを隣の寝室に収容する作業をしていたとみられ、他の3頭は寝室にいた。

 

 市によると、獣医師が古庄さんに無線で呼び掛けたが応答がなく、現場に行ったら倒れていたため、近くにいたリクを麻酔銃で撃ったという。園は「猛獣と職員が同じ空間に入らないようにしていたが、今回はそうなってしまった」と説明している。

 

 ホワイトタイガーはインドに生息するベンガルトラの白変種。体毛は白やクリーム色で、黒や茶のしま模様がある。動物公園は2011年に鹿児島市内の企業から中国・桂林で飼育されていた雄雌各1頭ずつの2頭を寄贈されたのを機に飼育を始めた。現在は10歳と5歳の雌各1頭と5歳の雄2頭の計4頭を飼育している。

 

 動物公園は鹿児島市の所有で、市が指定した公社が運営。9日は通常通りに午前9時から開園したが、県警が現場検証を予定しており、現場周辺への立ち入りは規制された。【林壮一郎、菅野蘭】

 

 

~転載以上~

 

 

以下は西日本新聞より。

https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20181009-00010013-nishinpc-soci

 

なぜトラと同じ空間に…死亡の飼育員は「仕事熱心で優秀」 園長が会見

10/9(火) 12:47配信

 

「なぜトラと同じ空間にいたのか分からないとしか言いようがない。優秀な職員を失い大変残念」。1972年の開園以来、例のなかった死亡事故に、鹿児島市平川動物公園の石堂昭憲園長は沈痛な面持ちで「原因は不明」と繰り返した。

【写真】男性飼育員を襲ったホワイトタイガー「リク」

 同園のホワイトタイガーは4頭で、飼育室で1頭ずつ展示。亡くなった飼育員の古庄晃さん(40)は、ホワイトタイガーの寝室への収容や閉園時の清掃などの作業を普段から1人で担当していた。9日に鹿児島市役所で記者会見した石堂園長は「飼育室に猛獣と一緒にいる状況はあり得ない」と説明。目撃者や悲鳴を聞いた人はいないという。

 ホワイトタイガーを飼育している福岡県大牟田市動物園によると、2011年に飼育員がライオンにかまれてけがをした事故を受け、獣舎の清掃などは必ず2人一組で作業するよう徹底している。猛獣の飼育に関するマニュアルやルールなどの規定はなく、各園でやり方は異なるという。

 古庄さんは福岡県行橋市出身。熊本県阿蘇市の動物園「阿蘇カドリー・ドミニオン」で05年から15年までクマの飼育員として勤務した。一緒に働いたという職員は「クマのことで分からないことがあったら古庄さんに聞けと言われるぐらい頼りにされ、動物好きな方だった。こういったことになり言葉がない」と話した。16年4月に平川動物公園に転職し、当初から猛獣を担当。関係者によると「大きく明るい声で子どもたちに動物の説明をするなど、仕事熱心で信頼できる職員だった」という。

 平川動物公園は9日も開園したが、現場周辺一帯は「立入禁止」と書かれた柵で規制されていた。家族連れで来園した宮崎市の自営業川畑幸弘さん(39)は「ニュースで事故を知ってびっくりした。ホワイトタイガーを見るのを楽しみにしていたので残念だが仕方がない」と不安な表情だった。

 

 

~転載以上~

 

 

トラは、遺族の意向で殺処分はされないとのことです。

 

 

★関連記事(朝日新聞)

 

「ホワイトタイガーに襲われた」 動物園職員の死亡確認

 

飼育員襲ったトラ、殺処分せず 遺族「飼育して下さい」

 

 

亡くなられた飼育員の方のご冥福をお祈りいたします。。

トラは殺処分されずよかったですが…

 

管理体制の検証や再発防止が望まれるところかと思いますが、本来自然の中で生きるべき動物を、このような場所で檻に入れて飼育すること自体に、個人的には疑問を抱かざるを得ず…

 

「見るのを楽しみにしていた」というお客さんのコメントもあるように、めずらしい動物を手軽に間近で見たい、という人がまだまだ多いと思いますが、ホワイトタイガーに関しては「種」ではなく、きれいで珍しいということで人間の好みで交雑を繰り返している動物で、野生動物ではありません。

 

白い体毛になるよう近親交配を繰り返すため、斜視や関節形成不全などの病気を抱え、短命な子が多いのです。

 

人間の欲のために翻弄され、苦しむ動物たちがいることを知ってほしいと思います。

 

 

★参考過去記事

 

ホワイトタイガー、雄にかまれ死ぬ とべ動物園 と ホワイトタイガーを繁殖すべきでない理由

 

「今後、ホワイトタイガーは飼育しません」…大牟田市動物園の掲示板に書かれた内容に共感の声