朝日新聞sippoからです。リンクよりどうぞ。

 

犬猫の虐待を解明する「法獣医学」 米国は大学の課程に、捜査・裁判にも一役

https://sippolife.jp/article/2017092600001.html

 

 

 

法獣医学、日本でも広まってほしいですね。

 

以下は、記事の中でコメントされている米国獣医師の西山ゆう子さんのFBより。

https://www.facebook.com/dryukonishiyama/posts/660317854173717

 

 

「獣医法医学を勉強しています」というと、「??」という反応、「犬にも検事さん」という反応、「犬の死体解剖?」などがかえってくる。


いくら法律が改正されても、獣医師が、「この犬は虐待されたからこうなった」「この猫はネグレクトの結果、こうなった」と言えなくては、何も進まない。


実際に、臨床獣医師も、病理学者も、その分野での見識で、言えることは限られてしまう。


例えば、猫。2本の前足が折れているのを、臨床獣医師が診断しても、その原因は、「木からおちたかも。車にはねられたかも。必ずしも虐待を受けて折れたとは言えない」となる。
病理学者は、「骨の密度、他の臓器に異常なし。外部からの力による骨折である。原因は不明」というのが限界であろう。


獣医法医学では、尾に脱臼があるか~虐待する時、多くは尾を引っ張りなが打ったり、飛ばしたりする~、骨折の衝撃の強さと角度~落下と物理的な打撲を判別~、猫の爪の状態~猫が逃げようとした形跡があるか~、などを総合的に診察し、「証拠」を立証する。これには獣医法医学という専門知識が必要なのだ。


この分野の今後の充実が、今後ますます、必要になると感じている。


ビデオがないから立証できない、という時代は終わっている。DNA鑑定、現場検証、毒物のトレース調査、死亡推定時刻の判定など、法医学の分野は、どんどん進化している。
遺棄も、多頭飼育崩壊も、やがては、法医学的に「動物虐待」と立証し、犯人逮捕できる日が来る。私はそう信じている。

 

西山ゆう子