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今年は犬の殺処分ゼロ 成果を挙げた名古屋市動物愛護センターの取り組み

9月20日(火)16時42分配信

 

犬21,593頭、猫79,745頭、計101,338頭。これは環境省が発表した平成26年度の犬・猫の殺処分数だ。愛知県では同年度に1,600頭が殺処分された。10年前に比べると年々その数は減ってきてはいるが、名古屋市の現状はどうだろうか。

 きょう9月20日からは動物愛護週間がスタート。名古屋市動物愛護センター(名古屋市千種区)の島崎亜紀さんに話を伺った。

 
保護数は減少 一方で「多頭飼育崩壊」が頻発

 

 平成27年度、名古屋市動物愛護センターでは犬23頭、猫873頭が殺処分された。平成20年頃は、ペットブームのあおりを受けて非常に多くの犬が保護されていたが、ここ数年で保護される数は減ってきているという。

 そこで本年からは、犬に関しては多少難があってもセンターで飼うことに。時を同じくして「犬殺処分ゼロサポート給付金」という取り組みがスタートし、飼育中の医療費や飼料代に充てられることになった。実際、3か月飼育して新しい飼い主が見つかった犬も出てきたそう。「今年の犬の殺処分数は9月15日現在、0頭です」と島崎さんは嬉しそうに話してくれた。

 しかし、犬に比べ、猫はとにかく数が多いため、殺処分ゼロにはほど遠い。望まれない子猫が産まれないために「なごやかキャット」という、地域で野良猫を適正に管理してくれる人に、避妊去勢手術の助成金を出す名古屋市の制度がある。この制度によりすぐに猫が減るわけではないが、無駄に猫が産まれてくることが少なくなり、センターに収容される野良の子猫の数は徐々に減ってきているという。

 一方で、大きな問題となっているのが「多頭飼育崩壊」だ。一箇所で何十頭と飼育され異常な繁殖を繰り返し、糞尿が垂れ流しにされた現場で飼育された成猫10~50頭が、一度にセンターにやってくる。病気を持っていたり、人に慣れていない野良に近いような状態の場合は、その日のうちに殺処分されることもあるという。

「直接手はくだしていないが、虐待と言っても過言ではない」と島崎さんは言う。この多頭飼育崩壊は、名古屋市で多い時には1ヶ月に3回、4回と頻発に起こっているそうだ。

 

好奇心の前に一度よく考えて決断を

 

 殺処分される犬や猫を減らすために、「できることから始めてほしい」と島崎さんは語る。街で野良猫を見かけたら、なぜここに野良猫がいるのだろうと考えてみる。それだけで世の中は変わっていくと言う。

 犬を飼おうと思うと、年間で小型犬は約15万円、大型犬では約25万円、初期費用はさらに倍くらいかかる。新しい動物を飼おうと思っている人は、費用の面や自分の生活スタイルを振り返り、本当に飼えるのかどうか、飼い続けられるのかを熟考すべきだろう。

 毎年9月20日から26日までを動物愛護週間とすることが、動物愛護管理法で定められている。同センターでは22日に「WanにゃんふれあいDay」という、犬や猫とのふれあいや飼育方法など学ぶイベントが開催される。この機会に足を運び、人と動物との理想的な共生について一度考えてみるのもいいだろう。