無しで通した1日 | 空即是色

空即是色

歌うことが好き、見ることが好き、書くことが好き

直近で映画館に行ったのは4月の頭だった。

5月、6月と映画館に行っていなかったのかあ、とちょっと反省。

6月なんて、家でも1本も見ていない。

すっかり映画から遠のいてしまっていた。

 

今日はどうしても見たい新作映画があり、公開初日に行って来た。

映画館から遠ざかっていた理由が、例の顔に貼り付けるやつである。

長年通っているお気に入りの映画館なのに、入り口でマスクを強要されるのが嫌でたまらない。

それでも今日は映画を見たい気持ちが勝ったのでバスに乗って出掛けた。

 

まず、バスに乗るときに運転手に「マスクをしてください」と言われた。

ここでめげるわけにはいかない。

「マスクをすると具合が悪くなるんです」と言うと、運転手は「なら、いいです。どうぞ」と言ってくれた。

「すみませんねえ」と言いつつ、後ろの方の席へ歩いて行く。

他の乗客は、私を見ても無反応である。

 

ネットでチケットを買っていたので、機械で発券して入場時間まで待った。

1日は安い日というせいもあって行列が出来ていた。

バスでもノーマスクを通したので、ここでも負けるわけにはいかない。

バッグの中に忖度マスクは入っているのだが、マスクではなくハンカチを出して口に当てた。

チケット確認係のおにいさんは、私の顔を見て「マスクはお持ちではないですか?」と訊いた。

私は黙って首を振った。

会話をするのさえ嫌な気分だった。

おにいさんはもう1度全く同じことを訊いてきた。

「マスクはお持ちではないですか?」

私はまた首を振る。

おにいさんはようやく私が面倒くさいヤツだと気がついたようだ。

「わかりました。どうぞ」と言って通してくれた。

 

歩き始めると、おにいさんがインカムで誰かに報告している声が聞こえてきた。

「〇〇(私の座席番号)のお客さまがマスクなしで…」

この後は聞き取れなかった。

これから面倒くさいヤツが行くから見張ってろ、ということだろうか。

 

席についてしばらくすると、映画館のスタッフが入って来て私の席の方を見た。

私はしっかりハンカチで口を覆っている。

スタッフは間も無く会場を出て行った。

 

映画が終わってから、あまり行きたくないスタバに寄ってお茶をした。

お店のおねえさんは、私がノーマスクでも何も言わなかった。

地元の上島珈琲と大違いだ!

 

帰りのバスの運転手も、ノーマスクの私を見咎めなかった。

これが普通じゃない?

つくづくそう思う。

 

マスク無しで通した1日だった。

今日はテンションが高かったのかもしれない。