先日のNHK日曜美術館アートシーンで紹介されていた展覧会。奈良各地の寺院に祀られている仏像が一堂に展観するという。奈良には有名なお寺が多いが、そんなに行ったことはない。法隆寺、東大寺、唐招提寺・・・。また、実際に行っても、いつも祀られている仏像にお会いできるわけでもない。そう考えると、美術館で奈良大和路の巡礼のような疑似体験ができるというのは、ちょっと興味深い。

 

いつも通り平日に行ったが、結構、観覧者が多いという印象。会期終了間際の滑り込みだったからかもしれない。

 

まず、目に入るのは、聖林寺「国宝十一面観音菩薩立像」の摸刻。「えっ?!、本物ではなく摸刻ぅ???」

3Dスキャニングや透過X線撮影などによる綿密な調査に基づき、可能な限り現像に忠実に再現された復刻。「重要文化財」は、いくつかあったが、さすがに「国宝」は無理だよね。正直、素人目から見れば、その差はわからないと思う・・・。

 

法隆寺、法起寺、霊山寺、薬師寺、唐招提寺、大安時、西大寺、法華寺、東大寺、法徳寺、新薬師寺、南明寺、長谷寺、岡寺、當麻寺・・・。う~ん、地図上で見れば、とても歩いて回れる範囲ではないのだけど。美術館内では1時間余りで巡礼できる。こんな風に並べてみていくと、仏像にも、その時代背景等により、様々な体形、表情があることがわかる。

もし、この中でどれか1体を連れて帰っていいと言われたら(誰も言わないけれど)、法徳寺の「地蔵菩薩立像」がいいと思う。平安時代のものとのことだが、その何とも言えない穏やかな表情が安心感を与えてくれる。そんなことを考えながら、会場を後にした。

 

奈良と言えば、平城遷都1,3001年祭の年の真夏に訪問したのが最後。とにかく「暑かった」という印象しか残っていない。今回の展覧会を見て、そろそろゆっくりお寺巡りをするのもあり(御朱印も集まる)かも。しかし、次は、もっと季節のいいとき行きたいと思う。

 

 

やまとには かのいかるがの おほてらに 

みほとけたちの まちて いまさむ

(「観仏三昧」より)