みなさんこんばんは。
 
これより、不定期ではあるが、読書の記録をあげていきたいと思う。
兼ねてより敬愛するアーサー・コナン・ドイル氏の『シャーロック・ホームズ』シリーズ。
4つの長編と、56の短編。 
 
 
家で過ごすことが増え、本と向き合う時間を否応がな持つことができた。
普段は何かの待ち時間や移動時間などのスキマ時間にしか読書を楽しむことはほとんどないのだが、こんな機会だからこそ、"好き"が尽きないシャーロック・ホームズを再び楽しみたいと思う。
 
そして今後も読み進める励みにしたく、この場を借りて読書の記録を付けさせていただくことに許しをいただこう。
 
 
 
 
 
改めてホームズを嗜む。
これよりは物語の内容を含むので、まっさらな気持ちでシャーロック・ホームズシリーズを読みたいという方は、まずは正典(コナン・ドイル、ConanのアナグラムでCanon)を読んでから以下を読み進めてほしい。
ミステリーにネタバレは厳禁。
 
 
 
 
 
全くご法度である。
 
 
 
 
 
 
貴方の楽しみを奪いたくありませんからね。
 
 
 
 
 
 
 
では、覚悟はいいのですか。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
それでは、記していきましょう。
 
 
 
 
 
 
 
前置きが長くなりましたが、記念すべき第一弾は、「シャーロック・ホームズの冒険(以下、〜の冒険)」に収録されている『唇のねじれた男』だ。
 
 
 
簡単なあらすじは、
ホームズと下宿を共にし数々の難事件に立ち向かい彼の功績を記録してきたワトソン。
そんな二人の冒険の出発点であるベイカー街221Bから、結婚を機に引っ越した後に出会った難事件。
 
ベイカー街を離れた後、ワトソンは開業医として居を構えていた。
ある日の夜深に、彼が1日の激務を終え自宅で妻と寛いでいるとそこへ夫が帰ってこないというケイト・ホイットニー夫人が血相を変えてやってくる。
以前から夫人に相談を持ちかけられていたワトソンの推察通り、問題の夫はロンドン旧市内の東の場末にあるアヘン窟にいるらしいが、か弱き夫人一人で乗り込むことは到底出来ない危険な場所だ。
そこへワトソンが赴き問題の夫を探しに行くと、意外な人物にばったり遭遇しある失踪事件に出くわすことになる。
 
 
 
 
 
 
『〜の冒険』には、面白い話がたくさんあり、九冊中三冊目に出版されたものなのだが、
お話のほとんどがワトソンがベイカー街221Bを出た後のことや、後から振り返って記したものであることにまず驚きである。(以前は気にせず読んでいたため知らなかった)
 
 
そんな『〜の冒険』に収録されている今作の魅力はやはり、いかにも怪しげなアヘン窟であろう。文面から伝わる危険な香り、埠頭の裏側、満潮時には水嵩が上がる窓下の細長い水路、所謂治安のよろしくない場所で呪わしくおどろおどろしい気味悪さ。
いくら元軍医のワトソンでもそんな危ない所へ一人で赴いて大丈夫なの?後ろから襲われたりしないかな?とヒヤヒヤしながら読み進める。
 
 
 
今作のホームズの登場場面は、胸が躍る場面の一つだ。
まさかなと思いつつも読み進める毎に胸が高鳴り、ワトソン宜しく叫びだしそうになった。待ってました!と言わんばかりの登場に胸がゾクゾクする。
読んでいて信じられないとぎょっとし、ホームズの茶目っ気に笑わされた。
二人が再会して嬉しくなった。
 
 
沈黙のまま長い時間二人で辻馬車を走らせる場面も好きだ。
ワトソンの賢明さが窺える。
 
今作の依頼人、セントクレア夫人のちらと垣間見れる勇敢さも好きだ。
 
徹夜を覚悟し、推理に居心地良い環境をせっせと作るホームズはなんだか可愛げがある。
その後は身動きもせず紫煙を吐き続けるだけなのだが。
 
 
 
登場人物もなかなかである。
不気味な三階建てのアヘン窟の経営者、凶悪な前科を持つ無頼漢で水夫あがりのインド人。
失踪した金持ちの紳士、ネヴィル・セントクレア氏。
愛する夫のためならと勇敢であり繊細で、ある種の観察力を持つセントクレア夫人。
アヘン窟のある一室に残された失踪した彼の衣服、血痕、買って帰ると約束していた息子へのお土産の積み木。それらが残された部屋に住みついている疑惑の乞食、ヒュウ・ブーン。
事件の担当者、熱血なバートン警部。
 
 
 
 
 
さらに特筆すべきなのは、ホームズは変装の名手であるということ。
きっと驚くべき俳優にもなれただろう。
どんな人物にでもなれる、そんな彼に私は強く憧れた。
顔つきや体つき髪型や衣服だけでなく、仕草や声やオーラさえもいとも簡単に操ってしまう。何て格好良いのだろうか。
 
それなのに、ホームズにはその素晴らしい変装も探偵として謎を探るための手段の一つでしかない。
 
解決困難な事件を前にすると睡眠を取ることも食事を取ることも忘れ、並外れた集中力で真相を見つけ出す。
 
 
そんなホームズの圧倒的なカリスマ性の隣で、普通の人間に見えるが良い意味で全く普通ではないワトソン。
彼にも素晴らしい素質がたくさんある。
沈黙を苦に思わない。
そして何といっても行動力が素晴らしい。
ホームズに言われるとそれがどれだけ明け方でも深夜でも、かまわないよとすっと腰を上げていく。私も是非見習いたいものである。
 
 
 
 
 
そんなに久しぶりだったのか。
私には謎が謎のまま、最後まで事件の真相に辿り着くことは出来なかった。ホームズが解き明かしてくれるまで。
故に非常に楽しく最後までハラハラしながら読むことができた。
こんなに面白かったっけ。
 
この物語が書かれた1890年代にタイムスリップしてみたいなあ。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
今作のまとめ。
・人は見かけにはよらず
・先入観は本質を見極めるのに一番不必要なものだ
・詰まる所、ワトソンの行動力はすごい
 
 
 
 
 
 
やっぱり、私はミステリーが好きだ。