僕が生まれる前に既に存在していた名作である。
宇宙的危機に際して、第一の選択が核兵器を宇宙の危機的事象に対して射撃する事で地球を守るというものであり、
第二の選択がアトランティスのように地下帝国を建造して人類を宇宙的危機から守るというものだ。
そしてこの映画で描かれる第三の選択こそが人類の火星移住計画である。
幼少期の僕にとって既に旧作だったこのビデオは大袈裟過ぎると見むきもされなかった、僕にとって黙示録のように心に響いた。
そして、太陽に寿命があり、その崩壊の際に膨張して地球を呑み込むという真実が敷衍し、地球が温暖化に喘ぐ今、火星に移住するというジンテーゼは極当たり前のテーゼとして現実性を帯びている。
だが、更にアンドロメダ銀河と天の川銀河の衝突、そしてヒートデス―熱的死―の脅威が叫ばれる今、人類の火星移住もただのテーゼでしかない。
こうして人類は無限のテーゼ→アンチテーゼ→ジンテーゼという名のテーゼ→アンチテーゼを繰り返していくよりないのだ。
だが人間は違う。こと、恋愛と結婚というライフステージに於いて人間はどこかで結婚という着地点を、或いは言い方を変えるなら恋愛という弁証法のピリオドをうたなければならない。
自分にとって弁証法に終止符を打つべき時がいつなのかわからず、それ故に僕は既婚の人を深く尊敬しているが、既婚の人もまたあの時結婚して果たして正解だったのか、と脳裏をよぎっているのだろう。
幸せな結婚をしたいな…。