376.有機肥料>化成肥料の根拠は その2 |  雑想 What do you think of this? Hiro's weblog 

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#音楽とスポーツとガーデニングとアンティークが好きで、日常の出来事への思いなども自由気ままに綴っています。

 前回、化成肥料は土を柔らかく作用が働かないことを書いた。今回は肥料による効果の早さに関連した話である。

 化成肥料の最大のメリットは何と言っても即効性。「その恩恵をより強く受けるのは、果樹より短期間で収穫を迎える野菜や草花」ということになっている。アサガオの栽培セットを買うと、支柱などと一緒に化成肥料が添付されているのもそのためだ。しかし、そのメリットがデメリットでもある。

 化成肥料で育つ植物は養分を急速に吸収するため、必然的に根も太くなる。今さら根の役割を述べるまでもないが、根は植物を支え、養分や水分を吸収する働きをする。そして、吸収については太い根ではなく、白く細い毛細血管のような根が担う。

 化成肥料はその肝心の白く細い根が発達しにくいのだから、葉に養分や水分が届かず害虫や病気に弱いのも当然。これが「化成肥料では植物が害虫や病気に弱くなる」の所以だろう。

 さらに化成肥料(化学肥料)のことがまだ詳しく知られなかった時代、これを大量に撒いて健康を害した農家の方が出たのだとか。

 これだけマイナス面があってはとてもかばいようがないとなるが、先の速攻性に加えて他に有利な点もある。「お決まりの完全否定を避けて、化成肥料の製造会社に配慮か!?」と言うことなかれ。

 例えば我が家のように隣家に接している環境では、「悪臭が出ない」の意味は結構大きい。また、有機肥料の管理が不十分だとネズミが入り込む懸念も化成肥料ではまずない。

 

 と書いておいて何だが、先日、紅麴に異物が入ったことが原因で、5人もの方が命を落とされたばかり。今回、このテーマに触れて、栄養素だけを抽出する点でサプリメントと化成肥料はよく似ていると思った。そして、我々は自身においても植物に対しても、体内に取り込む物に少し無頓着なところがあるのではないか。そんなことを改めて考える機会となった。