300 デマやフェイクニュースを見抜くのは簡単じゃない |  雑想 What do you think of this? Hiro's weblog 

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#音楽とスポーツとガーデニングとアンティークが好きで、日常の出来事への思いなども自由気ままに綴っています。

「秋田県で開発された新しい品種、あきたこまちRが危険だ」。そんなデマが広がっているというニュースを見た。

内容は「遺伝子が破壊され、異常なたんぱく質が生まれる」「致死量の放射線を浴びせている」「子供達に影響を及ぼすかもしれない」などだとか。

「遺伝子が破壊され・・・」。品種改良とは遺伝子の変化。それがなければ新しい品種は生まれない、品種改良の方法は3つあって、ひとつは自然界における「突然変異」。これは厳密には改良ではないが一応それに分類する。ひとつは「交配育種」。そして「放射線照射」である。

騒いでいるのは最後の「放射線照射」に関してのようだが、この手法は品種改良の効率を上げるためにふつうに行われており、原理としては突然変異や交配育種と何も変わらない。

しかし、このことを知らなければ不安を覚え、騒いでしまう人がいるのも仕方がない。それは高齢者で「あなたのキャッシュカードは古くて・・・」と不安を煽ることで騙されてしまうような人、また、「新型コロナウイルスワクチンで遺伝子がおかしくなる」との話を簡単に信じてしまうような人がいるのと同じである。

 そして、「そんなデタラメを信じるなんて」と呆れることなかれだ。もしも、その情報が自分の知らない分野や領域だったら、きっと信じてしまう方が当たり前だろう。

仮に名前もあまり聞いたことのないような国で、凶悪な事件で数百人が惨殺されたというフェイクニュースを、加工された映像とともに流されたら、見破れる人がどれだけいるか。

今回のような例はこれからもたくさん拡散されるはず。にもかかわらず残念ながら、デマの発信者が法律で罰せられる可能性はかなり低い。それは「自分は本当にそうなると信じている。だからそのことを書いたのだ。何が悪い」と主張した場合、責任を問うのは難しいからである。

 今後、AIが進歩するに連れ真偽の判別精度、スピードは確実に向上する。問題はそれまでいかに騙されずにいられるかだが、私は全く自信がない。

 秋田県農業試験場や農家が何年もかけて取り組んできた品種改良。これがたったひとり?のデマで水泡に帰すようなことがあったら、それこそ問題だ。