137.自動巻き時計 オメガ シーマスター |  雑想 What do you think of this? Hiro's weblog 

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#音楽とスポーツとガーデニングとアンティークが好きで、日常の出来事への思いなども自由気ままに綴っています。

 前回に続いて機械時計の話である。

 

 

これは所有している自動巻き時計の中で製造が一番古い、オメガのシーマスター。一見オーソドックスだが、よく見るとケースの上下にホームベースのような膨らみがある。この個性的な形状が気に入って購入した。  

デザインは白の文字盤に3針、日付とシンプル。余計な装飾はない方が好きなのでこれで十分。秒針と日付がなければさらにいいくらいだ。シーマスターの名前からわかるように一応は防水仕様だが、それは昔の防水なので程度は知れている。1960年代の製造の割にはきれいで、古い文字盤に付き物のシミも見られない。

 時計に詳しい友人によれば「当時からオメガは開発に熱心な会社だった。その反面、高級路線を目指してはいなかったので豪華な仕様の物はない」とのこと。確かにこの時計に限れば高級感はない。

今の高級自動巻き時計は、豪華さを競うかのように重厚で長大だが、そういうのは好みではない。そもそもそんな煌びやかな時計は貧乏人にそぐわない。「清貧」といった言葉がしっくりくる。秀吉より利休である。

 時計本体とは関係ないが、この時計には優れていた点がひとつある。それはベルトのフィット感だ。これほど金属のベルトが腕に吸い付くように締まる物には出会ったことがなかった。目立たないパーツにも手を抜かないところに好感が持てる。

 約70年を経過して今もなお元気なこの時計に、昔の職人の姿が映って見える。