(226) 南極の氷床  表面積は、地球全体の約10% (1400万平方キロメートル) | momodaihumiakiのブログ

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2022年12月18日再スタート

 

 

 

 

 

 

〇 1900年から2010年 19cm海面上昇
〇 今のペースで氷の溶解が進めば、
 今世紀末には1m海面上昇
 

 


 

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地球上の淡水の90%を占める「氷」が溶けるとどうなる?地球温暖化の影響をデータで見る
         
INDEX

 ・過去100年間の海面上昇が生み出した「環境難民」
 ・世界でも最大級の、局地の氷床はこの30年でどのくらい溶けた?
 ・氷の融解は極地だけに留まらない、地球規模で見てみると……?
 ・海面が1m上昇すると東京、大阪にも甚大な影響が
 ・氷から溶け出した水が二酸化炭素を吸収!地球環境の不思議なサイクル
 ・地球温暖化の影響は広範に広がっている


現代社会において、様々な場面で話題にのぼるのが「地球温暖化」です。そして地球温暖化による環境変動の中で特に懸念されてい問題の一つが「氷河や氷床の融解」です。

とくに南北の極地における氷の融解は、地球規模の海面上昇にもつながるため、頻繁に調査・報告が行われています。そこで今回は氷河や氷床の融解の実態を様々なデータで観察するとともに、その影響についても調べてみました!

 

過去100年間の海面上昇が生み出した「環境難民」

 


これまでの氷床融解に伴いどのような変化が起こっているのか、まず紹介していきます。

氷床融解や気温の上昇に伴う海水の膨張により、1901年から2010年までの約100年の間に19cm海面が上昇したそうです。

海面上昇に伴い、海抜の低い島国では、すでに様々な影響が出ています。その中でもオセアニアにあり、平均海抜が1.5mしかない島国、ツバルでは、海水が陸地に流入し、井戸水が海水になったり作物の不作が続き、「環境難民」として他国へ移民する人々も増えているということです。

 

世界でも最大級の、局地の氷床はこの30年でどのくらい溶けた?

 


地球上にある氷塊として最大の体積を誇るのが、南極氷床です。

表面積は地球全体の約10%を占める1400万k㎡、体積はおよそ3000万k㎥で、この氷床には地球上の淡水の約90%が含まれています。

もし、南極の氷床が全て融解した場合、海水準は61.1m上昇するだろうと言われており、その際の影響の大きさは計り知れません。

南極氷床についで大きな氷塊がグリーンランド氷床です。約216万k㎡にわたるグリーンランドの80%を占めるこの氷床が全て融解したとすると海水準は7.2m上昇すると予測されています。

これらの氷床についてその影響力の大きさから定期的な調査、報告がなされています。NASAが行った調査によると、1990年代以降の衛星データから南極とグリーンランド合わせて6.4兆トンの氷塊が消失したことが明らかになったそうです。

この期間のうちに、世界の海面は約1.8センチ上昇し、このうち3分の1は氷床の融解が原因だそう。なお、その内訳は、60%がグリーンランドの氷床融解、40%が南極の氷床融解だということです。

さらに、現在は、1990年代のころと比較して6倍のスピードで、氷床の融解が進んでいるということです。


氷の融解は極地だけに留まらない、地球規模で見てみると……?

 


地球温暖化の影響は、もちろん極地のみに留まりません。そこで、リーズ大学、エジンバラ大学、ユニバーシティ・カレッジ・ロンドンからなるイギリスの研究者グループが地球規模での氷塊の融解について調査を行いました。

調査では、1994年から2017年までの期間における様々な氷河、氷山、氷床の衛星データを用い、融解した氷の量が推定されました。

そのデータを元に推計された氷塊の融解した量はなんと28兆トンにものぼったそうです。

このペースで氷が溶け続ければ、海水面は劇的に上昇し、今世紀末までに1m程度上がるのではないか、と推測されています。

 

海面が1m上昇すると東京、大阪にも甚大な影響が

 


ちなみに、海水準が1m上がると、東京では江東区、墨田区、江戸川区、葛飾区のほぼ全域で、海水の侵入などの影響が起こります。また、大阪でも、北西部から堺市までの海岸線のほぼ全域が水没するということで、私たちの生活にも大きな変化がもたらされると考えられます。

また、すでに海水準上昇の影響を受けつつあるイタリア、ヴェネチアの海抜は1mのため、もしこのペースで海面上昇が進んだ場合、都市が機能しなくなってしまう可能性があります。

 

氷から溶け出した水が二酸化炭素を吸収!地球環境の不思議なサイクル

 


氷床の融解、というとネガティブなニュースばかりが目につきますが、一方で氷から溶け出した水について、不思議なサイクルがあることが明らかになっています。

それが氷床から溶け出した水が二酸化炭素を吸収している、というものです。その上、面積あたりに吸収する二酸化炭素の量は、世界最大の熱帯雨林、アマゾンが吸収する量を平均で2倍以上上回るというのです。

二酸化炭素といえば地球温暖化の原因物質の一つとされるもの。地球温暖化を緩和するためにも二酸化炭素の削減を急務として世界各国がさまざまな対策を講じています。

なぜ、氷床から生まれた水がこれほどまでに二酸化炭素を吸収するのでしょうか?

その理由には、極地ゆえの生物の不在が挙げられます。生物圏のなかにある川や池の水は生物の呼吸に伴い多くの二酸化酸素を含んでいますが、極地ではほとんど生物が存在せず、水の中に余分な二酸化炭素が存在していません。そのため、空気中の二酸化炭素が水中に溶けやすく、多くの二酸化炭素を吸収できるというわけなのです。

これもまた、地球環境が長年恒常的に保たれてきた要因の一つなのかもしれません。

 


地球温暖化の影響は広範に広がっている

 

今回は、氷河や氷床の融解による地球環境の変動の実態を調べてみました。氷床の融解による海面上昇の深刻さを実感するとともに、二酸化酸素の吸収量が増える、というように、その影響は決して悪い側面だけではない、ということもわかりました。

しかし、こうした問題以外にも生態系の破壊や陸地の砂漠化など地球温暖化に伴う環境変動があり、徐々に私たちの生活にも影響が出てくると考えられます。

温暖化を緩和させるような対策はもちろん、環境が変わった時、私たちはどう生きるのか、改めて考えるべき時がきているのかもしれませんね。

 

【参考引用サイト】
・氷床 - Wikipedia
・1994年以降、28兆トンもの氷が地球上から消えていた ──
   研究者は温暖化が原因と指摘
・1-6 海面上昇の影響について - JCCCA 全国地球温暖化防止活動推進センター
・南極から氷の溶け出しが止まらない、ペースは最悪のシナリオ
・温暖化で氷河から溶け出した水が、大量の二酸化炭素を吸収している:
   調査結果から明らかに

                                                                                  (大藤ヨシヲ)

 

 

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