「詭弁」って日本語では、「誤りである論理展開を故意に用いて発言者に都合良く導き出された結論、その論理の過程を指すこと」だとある。

 ここで問題なのは、発言者の「欺く意志」があっての「詭弁」であって、必ずしも意図的にではない「誤謬」とは区別されるってことなのね。

 ハフポストにシカゴ大の日本の教授が「日本の組織は全世界に通用しない詭弁は止めるべき」って一文を書いている。

 オリンピック問題でも、海外報道が示すように金の行き先が、既に汚職が明らかとなった国際陸連前会長のラミン・ディアク氏の息子で、IAAF汚職にもトンネルとして使われたペーパー・カンパニーのブラック・タイディングズ社の口座なら。正当なコンサル料の言い訳は世界で通用しないだろうと述べてている。

 日本の文部大臣は、多数派工作に使われたもので賄賂ではないとかアホ発言で突っ込まれているけど。それを賄賂って呼ぶのではないらしい。

 教授は、捕鯨調査の問題にも調査だと云う詭弁を使わずに、日本の食文化の伝統の継続を主張して、それで通らなくても納得できると。また男女別姓にについても、夫婦のどちらかの姓を名乗れるんだから男女の平等に反しないという最高裁判所の判定にも。

 自由をいうなら個人の選択の自由にまかせるべきで。判決の「本音」は日本では家族を優先し、個人の自由は制限されるという判断だと。
 姓の変更を不本意と思う人には強制であって、個人の尊重を定めた憲法13条にも違反する。個人の自由や人権への日本の司法理解の狭さを、改めて世界に露呈することになったと述べているのね。

 なぜ、組織がそういう詭弁が国外にも通用すると思っているんだろう。日本の本来の価値観とかでなくってそれが自国内で通るからだと思のよね。建前と本音っていうのは時に必要だ。というのがたぶん日本国の中では一般的に受け入れられている。

 それは、あからさまに本音を言うと和が乱れる、統制がきかないということなんだろうけれど。国会の場では、調和とか気配りなんか求めていないと思う。党首答弁なんか見ると、野党も歯がゆくて気持が悪い。婉曲な表現と詭弁を混同してはいけないよね。

 自由とか言うと、すぐ放埓とかやりたい放題と勘違いする人がいる。和を尊ぶことと詭弁はなんの関係もないんだよね。奥歯に物の挟まったような言い方なんか、誰も国会に希望しないしね。

 それでそういう詭弁が、国際的に通用しないと考えもしないのは。国内では通用するからで、それで騙せるし文句も抵抗も少ないからだよね。舐められてるよなぁ。

 詭弁がデフォルト(基本)の社会は、為政者や騙し手にとっては実にやりやすいんだけど。それいいのか日本人って思うんだよね。