進化とか進歩っていうのは、一体どういう事なのかね。

先進国っていうのはどういう国で、後進国っていうのは、何が遅れているのかってぇことだ。

アフリカのガーナにいた時、友人のアタケの父親に招待されて彼の家に昼食に行きましたの。

アタケって、水曜日に生まれた双子って意味があるんだって、たった三文字ですごいぜっアフリカ。

街はずれの森に近い場所で、庭は野菜畑やバナナの木がこんもり、バナナは青バナナで蒸して杵でついてすいとんみたいにして食べるの。青バナナは生で食べるとお腹こわしますう。

小さなテラコッタ(漆喰作り)の桃色の家。当時父親は50代後半位でしたが、実にいい顔の元戦士でしたの。

彼さえも嘆いていました。
ガーナは、今や奴隷海岸では無く近代国家らしい。英国の植民地からやっと脱して独立した国らしい。しかし、実に貧しく面白くない国になってしまったと。

川はゴミだらけで、隣国からもゴミを受け入れてぶん投げてる。子供は観光客に紛い物を売り付けてほくそ笑む、森やジャングルで狩りは出来ないから。密漁者ばかりだ。

植民地時代とどこも変ってないし、ガーナ人の誇りは地に塗れている。

ふむっ、確かに。
民主主義国家は優れているのかっ、てぇことだねぇ。

今の日本も、経済先進国とか煽てられちゃってるけど、某大国に都合の良い個人主義だ民主主義だでね。

ある意味の独裁政治だった江戸より、進んでいると云えるのだろうかねぇ。わっちにはそう思えねぇのっ。

あるブログで拝見したんだけど、江戸の儒学思想、朱子学が日本人を洗脳してお上に逆らわない気風を作ったとね。だから、未だに日本人は洗脳されやすく奴隷根性だってね。

それはある一面ではあるかも知れないけど、どっこいそれ程当時の人々は、お上のいいなりではなかったと思うのよ。今よりも人が、職業や暮らしに誇りや意地を持っていたと思うし。

大体が、豊かな自然に恵まれた瑞穂の日本は穏やかで鷹揚な民族でさ、すぐ水に流しちゃうしね。

本来的に獰猛なアングロサクソンよりは、むしろアラブ人や、広葉樹林文化圏としてのアジアに近いわけですねん。

朱子学が生んだ武士道なんかもそうですが、民主的じゃありゃしませんよね。封建国家だったわけだし。

それでもね、調べるほどに当時の枠組みの中で、
個の楽しみを味わう姿はむしろ自由な気もして。

何よりも、蹲踞の情って、弱き者をかばい助ける心構えが生きていた。

不自由とは何だろ、不便な事なのかぃ違うよね。不便ではあったろうけど、精神の自由さはもしかすると江戸のがあったかも知れない。

今や便利で先進国で民主主義で、万々歳かぃ。

どうにもそうは思えねぇやっ・・・

   桃林の桃源郷