戦後、日本は焼け野原になったのね。
どん底から這い上がるように、
家族や仕事や家を失いながらも、
そこから復興してきたの。

あまりの物量の違いに、アメリカの強大さに、
そして、それまでの封建的閉塞感から見ると、余りにも個人の自由がまぶしく見えたのね。
だから、それをお手本に追いつくべく、
必死に働いて技術を磨いて、
発展をはかってきたんだよね。

大きい事はいいことだ!
物があって豊かなことはいいことだ!
明るいナショナルは素敵なのだとね。

それまで氷屋さんが、
リヤカー自転車で毎日届けてくれる氷を、
上の扉に入れた木の冷蔵庫。

初めて電気冷蔵庫が来た時は、
みんなで扉を開けて冷気を顔に受けて、
喜んだのね。

私は氷屋の小父さんが好きで、
目の前でノコギリで氷を切るのを見るのも、
大好きだったから、ちょっと淋しかったけど;

初めて脱水機のついた、二艘洗濯機が来た時も、それまで手回しハンドルでぐりぐり絞ってたのが、蓋を閉じてスイッチ入れたら遠心脱水してくれる。

便利だわぁ~楽だわぁ~
おっかさんが頑張って、
働いてくれたおかげだわぁと感激したもんなの。

それから数十年、人の豊さへの欲望は、
もっと豊かにもっと便利にと膨らんで来たのね。
それが、また日本の競争力や進歩を生んで、
日本は大国と呼ばれるようになったんだよね。

その頃になると、金だ物だとの風潮は、
自分には何だか違和感があって、
スペインに行った時はほっとしたの。

でも、バブルが弾けたのをきっかけに、
そうして手に入れた物の影で、
放り投げてきた色んな事を、
少しは振り返るようになったんだね。

今の若い人を見てても、
金だ成功だとギラついている人は、
案外、少ないんじゃないんだろうか・・

自分の周りに大金持ちとかセレヴとか、
居ないからかもしれないけどね。
小さくまとまってると非難もあるだろうけど、
萎縮するのと小さいのは違う気がするのです。

豊かさとは便利と物だけじゃないと思う。

顔の見える手触りのある人間関係や、
一緒に生きていこうって共生感や、
<安心・安全>
最近この言葉を聞き過ぎだけど・・

あたしゃ善人でも正しい人でもない、
だから押し付けられる善意も好きじゃない。
AC広告も中味は正しいかも知れないが、
どうも好きじゃないのよねl

改めて東北県が日本の中で、
果たしてた物心の大きさを、
感心するんだけど、
それも含めて一刻も復興して欲しいと願う。

でも生命にかかわる緊急の復興はともかく、
あまり急ぎすぎて、
手抜きや工事や、利権に絡む再建に、
陥らないといいなぁとも思いますの。

復興計画の意見をいくつか眺めてて
人が求める豊かさとは何かを、

考えつつ、日本の手本になるような、
共生社会が、はかられますようにと、
願うのですが・・・

もんじゅの復旧課長の自殺とか、
東海地震予測などみるとやはり、
原発が問題だわとも心配になる。

報道も減ってきているけど、
現地で被爆しつつ懸命に作業している方の、
努力に祈るしかできないの・・・