メガネをとった春馬は可愛い子。

お母さんの可愛い子よ!

ほら、抱っこさせて!


お母さん!


僕を優しく抱きしめてくれる

そんな母が大好きだった。


だが、その母は

それから間もなく白血病に罹り、

1年も経たずしてこの世を去った。


お母さん、、


泣きながら母の遺影を

見つめていたら、母の声がした。


春馬、メガネをとって。


お母さん!


僕は慌ててメガネをとった。


笑って!

お母さんの可愛い子!


お母さん!


寂しくなったらメガネをとって

お母さんが貴方を抱きしめた

温もりを思い出してね。


思い出してくれたら、

お母さんは何時でもまた

春馬を抱きしめる事が出来るから。


うん!

分かった!


それ以来、僕はメガネを外すと

目の前の女性に

母を重ねて甘えてしまう。


いや、そんなのはただの言い訳だ。

甘えているうちにムラムラして

無礼講になる理由にはならない。


とにかく、

すぺりおるくんの言う通り、

絶対に女性の前では

メガネを外さないように

気をつけなければ。


三浦がそんな決意を新たにした頃、


文子、聞いてくれ。

今日探偵さんが

訪ねて来てくれてな。


失踪した裕之の捜査を

頼んだんだよ。

まだ、正式には引き受けるとは

返事を貰っていないが、、


返事なら貰ったわ。

捜査を引き受けて下さるそうよ。


文子、、

何故お前が?


夕方、偶然浜辺でお会いしたの。

それで少しお話して、、


それから一緒にホテルに戻って、、

私、明日から裕之さんの捜査に

加わる事になったのよ。


そうなのか、、


ええ。

兄さんにも三浦さんから

正式にそうお返事がある筈よ。


兄さん、私を殴った事、

もう許してあげる。


三浦さんからも言われたわ。


今までのご事情は

全てお兄様から伺いました。



お兄様はこの街の方々から

裕之さんを殺したと疑われ

精神的にも、

もう限界でいらっしゃる。



貴女にも手荒な真似をしたと

反省されています。

どうか許してあげて下さい。


文子、、


兄さんは、

裕之さん失踪の犯人じゃない。


裕之さんが失踪したと知った時は

動揺のあまり、兄さんが犯人だと

思ったんだけど、


兄さんはそんな人じゃない。

それは、幼い頃から兄さんに

可愛がって貰って来た私が

1番分かってるわ。


文子、、

松方社長の脳裏に

幼なかった文子と自分の姿が

浮かび上がった。


お兄ちゃん!

ん?どうした?


文子、

お兄ちゃんが大好き〜!


お前は何時も

お兄ちゃん!お兄ちゃん!

と、俺にまとわりついて、、


文子、この前はお前に手をあげて

本当にすまん。


ずっとお前を可愛がって来たのに

俺は何て事をしてしまったんだ。


兄さん、、

私も兄さんの苦労を

ちゃんと分かっていなかった。


だから、もう良いの。


明日から、兄さんも

裕之さんの捜査に協力して頂戴!


ああ、勿論だとも。

一方、三浦は、、


うん、、確かに

この3人の誰が裕之さんの命を

狙ってもおかしくないな。


それぞれが文子さんに惚れ込み

真剣に自分の妻にしたいと

願っていたとしたら、、


あの祭りの夜の

裕之さんのスタンドプレイを

苦々しく思っていた筈だ。


足を挫いた文子さんを助け、


花火を船上から見せた。


あの行為を。


3人からすれば、

裕之さんはあの祭りの一件で、

文子さんと交際を始め、


文子さんの兄にも

恩人だと感謝され、、


このままでは、2人はそのまま

ゴールインするかもしれないと

危惧した筈だ。


3人の素性については

すぺりおるくんに調査を任せたが


漁業組合長 渡


裕之さんの親友 北島


隣町ホテル御曹司 及川


この3人、どんな素性が

浮かび上がって来る事やら。

次回も引き続きお楽しみ下さい🌸🐎


内容は全てフィクションです。


画像と動画をお借りしました🙏