はる殿、直馬殿、
田鶴をよう許して下された。
この元康、深く感謝致す。


お2人とも、、

ありがとうございます。



それでは、これにて御免。

はる、行くぞ!


はい!


元康様、田鶴様、

お2人で共にお越しになる日を

皆で待っております。


ああ、待っていて下され。

それまで皆様、達者でな。


田鶴さん、

貴女が神だと信じたのは悪魔。


だけど、

あんたはもうそれに気づいてる!

だから絶対に罪を償えるわ!


はる様、

ありがとうございます。


そう和解した上で

直馬さんとはるさんは、

上の階層に向かわれたそうだ。


上の階層?


ああ、あの世は

何層にも分かれていて、

生前の行いに相応しい階層で

暮らす事になるらしい。


生前の行いに相応しい?

じゃ、元康様と田鶴さんは

どうして一緒に居られるの?


それは、低い階層からは直ぐに

上の階層に行くのは無理だけど、


上の階層から低い階層には

直ぐ移動できるみたいだよ。


へぇ〜!

それで元康様があの時、

田鶴さんにあんな風に言ったのね。


ですが、いくらこの所業が

神仏の思し召しと
信じていたとは言え、
私は沢山の殺生をした罪が
ございます。


その為、この黄泉の国でも
1番低い階層に送られました。


そうか。

ならばわしも
そこに出向こう。


自分が田鶴さんの階層に
降りて来ることが可能だと
知ってらしたのね。


そうだと思うよ。


それでお2人はどうなったの?



お2人は直馬さんとはるさんを

見送った後、

黄泉の国の最下層に出向き

僕が訪ねて行った家を構えた。

僕が話を聞き終わって

帰ろうとして、、


そうでしたか。

お話を色々

ありがとうございました。


しかし、お2人が出会ってから

今日までそんな事が遭ったなんて、


まるで大河ドラマ

1本見終わった気分です。


大河ドラマ?


ああ、そうだ。

元康様の居られた時代には

無いものでした。


そうか。

お主が暮らす先の世は

わしが望んだ天下泰平の世で

あるようじゃな。


はぁ、まぁ、、


何じゃ、

煮え切らぬ返事じゃな。


いえ、それは、確かに現代は、

いつ斬られ命を失うか分からない



元康様が生きておられた

戦国時代のような

緊張感はありませんが、、


もっと世の中の悪が巧妙化され、

秘密裏に命が失われる

そんな世の中になっております。


そこには、元康様の時代の

信義は見当たらず


ただ卑劣卑怯な行いを

上手く操る者が

成功を収めていたりします。


この世は、そのように

変わってしまったのか。


そうですね。

一見、泰平の世の中に見えますが

水面下に幾つもの大きな問題を

抱えております。



それでも、

人々が幸せを求める心は

今も昔も変わりません。



アスファルトの亀裂から、

アスファルトと言うのは、

現代の道の舗装に使われるもの

なのですが、


そのアスファルトに入った

僅かな亀裂から伸びた草が、

美しい花を咲かせるように、


人々の幸せになりたい

と言う気持ちを

止める事は出来ません。



人は幸せを求めるもの。

だから頑張れる。



それは、どんな状況下でも、

どのような世であっても

同じだと思います。



うむ。

春馬殿の申す通りじゃ。


わしも泰平の世を作りたかった。


それは皆で幸せになる為。

その為になら一所懸命じゃと

思うておった故。


わしは泰平の世は作れなかったが


あやつがわしの夢を

継承してくれた。


そして、今、

わしは幸せを手に入れた。

のう、田鶴!


そうやって田鶴さんを

優しく見つめる元康様を見て、

僕は心の底からお2人を

祝福する気持ちになった。


元康様は素晴らしい方だ。

田鶴さんが好きになる筈ですね。

と言ったら元康様が、


お主は田鶴に

初恋をしたそうだが、


なかなか

おなごを見る目があるの!


ワハハハ!


と、豪快に笑われたよ。


元康様らしいわね!


そこで僕はお2人に礼を言い、

この世に帰って来た。


そうだったのね。

それからお2人は

どうされたのかしら?


さぁ、だけどそこで

きっと今も仲睦まじく

暮らしていらっしゃると思うよ。


早くはるちゃんや直馬様が待つ

上の階層に行けたら良いわね。


行けるさ。

あのお2人なら!

次回も引き続きお楽しみ下さい🌸🐎


内容は全てフィクションです。


画像をお借りしました🙏