私達、地球の生き物は

2025年7月に貴方がぶつかれば

多分みんな死んでしまうのよ。


そんな、、


だから、何時もあんなに熱心に

僕を見てくれていたのか、、


僕は馬鹿だな。

自分の事しか考えていなかったよ。


自分の事?


うん。

もうすぐこの地球にぶつかって

この命が終わるんだなって。


僕と言う星の命がこんな事で

終わるんだって思ったら、

それまでに好きな事をしてみたい

そう思って、、


好きな事?

どんな事をしたいの?


僕がしたかった事。

それは君に会う事。


何時も僕を熱心に見ている君と

1度で良いから話したくて、、


だから、今日

思いきって会いに来た。


1度で良いから話したかったなんて

それはどうして?


君は何時も夜空を見ていたね。

そう、ずっと前から。


幼い君が、その天体望遠鏡とやらで

夜空を見ている頃から

僕はずっと君を見て来たんだ。


見ているうちに

可愛くて仕方なくなって、、

気がついたら、

君を大好きになっていた。


だけど僕は星の精だから、

ただ君を見ているだけで

良かったんだ。


でも、もうすぐ僕は

地球にぶつかって死ぬ。


もう君を見られなくなると思ったら

驚かれても何でも良いから

君に会いたい。


君と1度でも良いから話をして、

君をもっと知りたいと

思ったんだよ。


そうだったのね。

星の精の貴方に

好きになって貰えるなんて、、

お伽話が本当になったみたい。



物凄くうれしいわ!


だけど今日

初めて話をして驚いたよ。


死ぬのは僕だけじゃない。

君達もなんだって。


そうね、、

私達の関係は

ぶつかる側とぶつけられる側。


僕がぶつかると知り、

僕の事を嫌いになった?


いいえ。

誰が悪い訳じゃない。

貴方だって好きでぶつかる

訳じゃないでしょ。


勿論。

とても悲しいよ。


お互いに悲しいのに、

どうにもならないなんて、、


だけど、やっぱり

貴方を見ていて良かった。


どう言う事?


どうやっても、貴方が
地球にぶつかると分かり、


天文学者は、私を除いてみんな
貴方を観察するのを止めて
天文台を去ったの。

彗星衝突までの残り1年を

家族と過ごす為に。


だけど私は、最期まで貴方を

見ていようと思ったの。


どうして?

それに君は残りの日々を
家族と過ごさないで良いの?


それは、、
私には家族は居ないの。


私が高2の夏休み、家族3人で
ドライブしていた車に
居眠り運転の大型トラックが
突っ込んで来た。


目が覚めた時には、
両親はもう、、


だけど、そんな時でも

私には大好きな夜空があった。


パパもママもお星様になった。

どの星がパパかな?
あれがママかな?
そんな気持ちで天体望遠鏡を
使って夜空を見ていたわ。


そうだったんだね。


そして私は大人になり、
憧れていた天文学者になった。


最期まで貴方を見ていようと
思ったのは、
天文学者としての任務を
果たしたいと思ったからよ。


例え、貴方についての記録が
衝突と共に
全て無駄になったとしても、、


私は最期まで天文学者として
死んで行きたいの。


そうか、、
僕が最期まで彗星として
死んで行く覚悟に似ているね。

そうだ!

君の名は?


私?

私の事はみんな

ひろりんちゃんって呼ぶわ。


そうか、じゃ、
ひろりんちゃん、、


どうか僕とお付き合いして下さい。

これはその証の星の欠片です。


あ、そんな、、あの、、


どうかお願いします。

交際の申し込み方、、

これで良かったと思うんだけど。


これが星の精の
交際の申し込み方ですって⁈

ああ、そうだよ。

返事を貰うまでは

顔を上げちゃいけないんだ。



ウフフ!


分かったわ!

貴方と交際します!


泣いても笑っても、どうせ

その日が来るんだもの。

残り1年、仲良く過ごしましょ!



やった!


こうして2人の交際が始まった。

次回も引き続きお楽しみ下さい🌸🐎


内容は全てフィクションです。


画像と動画をお借りしました🙏