流れ星の君💫


2024年6月24日、

このまま軌道が変わらなければ

2025年7月5日に地球に衝突する

超巨大彗星の存在が分かり

そのニュースは直ぐに
世界各国を駆け巡った。

各国の代表はそれぞれ会見を開き
国民に事実を伝え、


人々は残り時間を想い
絶望して空を見上げた。


各国の天文学者達は、
この彗星の軌道を何とか
変更出来ないかと、国をまたがり
情報交換に明け暮れたが、

結局、何の策も無いと分かり
他の人々のように仕事を
離れる事にした。

おい、残り約1年。
それぞれ思うように暮らそう。

ああ、そうだな。

そして、1人の女性天文学者も
退職を勧められたのだが、、


私はその彗星を此処に残って
最後まで観察しようと思います。


そして、

彼女は1人天文台に住み込み、

彗星の観察を続けた。


彼女は仲間から

ひろりんちゃん

呼ばれている女性天文学者。


今夜も彗星の観察を続ける

ひろりんちゃん。



そうだ!

外へ出て、久しぶりに

自分の天体望遠鏡で見てみよう!


ひろりんちゃんは、

愛用している自分の天体望遠鏡で

夜空を覗いた。


あの彗星、、

もうどれだけ観察した所で

地球に激突する事は

分かっているんだけど、、


それでも、天文学者として

最後まであの彗星を観察したい。


それにしても、、

夜空は何時も美しいわね。


私は、子供の頃から

高性能の天体望遠鏡で

夜空を眺めるのが大好き。


夜空を眺めていると、

時間を忘れるくらい夢中になって、

何時もパパがそろそろ家に入れと

呼びに来たわ。


だけど今は、

その両親も亡くなって、、

その時だった。


こんばんは。

何時も僕を見てるよね?

後ろから不意に声をかけられて

ひろりんちゃんは驚きながら

振り返った。


あの、貴方は?


僕はあの彗星の精。

流れ星の君だよ。


彗星の精? 

流れ星の君?


そう、星の精の1人だよ。


星の精?

星の精、、本当に居たのね!

いきなり泣き出した

ひろりんちゃんに、


本当に居たとは?

僕の事を誰かに聞いたの?


ええ、幼い頃ママに。

何時も寝る前に

そんなお伽話を聞かせてくれて。


そうか、それで僕を見ても
驚かなかったんだね。


ほら、夜空を見てごらん。

あの輝く1つ1つの星に、

それぞれ星の精が宿っているのさ。


まぁ!なんて素敵!


私ね、だから

天文学者になりたかったの。


もっともっと

星の事を知りたいなって!



そうか、それで何時もその筒で

僕の事も見ているんだね。


その筒はよく見えるの?


ああ、これは

天体望遠鏡と言うのよ。



天体望遠鏡の性能にもよるけど、

月のクレーターや


土星や金星、、


星雲まで綺麗に見えるわ!


勿論、貴方の事も、、


僕の事を特に熱心に

見てくれているようだけど、

どうして?

  

だって貴方は来年

この地球に衝突すると

言われているから。


だけど、本当にそうなの?


ああ、そうだよ。

残念ながら。


貴方がぶつかれば

この地球はその衝撃で

壊滅的な打撃を受けるわ。


貴方が地球に衝突する事によって、


地球上で大規模な爆発が発生して

大規模な火災が起こるわ。


そして同時に、衝突した衝撃や

その衝撃による地殻変動で

大規模な地震が発生して、


その影響で巨大津波が起きたり


地下のマグマを刺激する事で

火山活動を引き起こすかも

しれない。


また、貴方の衝突によって

大量の塵やガスが大気中に
放出される可能性があるの。

それによって大気汚染が生じて
日光の遮断や気候変動が
引き起こされる恐れがあるわ。


そして、何よりも1番怖いのは

貴方の衝突によって、
大気が一時的または永久的に
失われる可能性があること。


そうなれば、地球上での
生命の維持が困難になる。
みんな死んでしまうと言う事なの。


この星の生き物がみんな死ぬ?


ええ、そうよ。

だから、私達天文学者は
みんな知恵を絞って考えたの。


何とか貴方が
地球にぶつからなくて良いように
貴方の軌道を変えられないかって。


それで?


でも、駄目だったわ。


私達、地球の生き物は

2025年7月に貴方がぶつかれば

多分みんな死んでしまうのよ。


そんな、、


次回も引き続きお楽しみ下さい🌸🐎


内容は全てフィクションです。


画像と動画をお借りしました🙏