さぁ、泣いていても仕方あるまい。

2人を皆で送ってやろう。


はい。


直親様〜!


しの、、わしを慕とうて
何時も一所懸命じゃったそなたを
何時迄も忘れまいぞ。


しのと田鶴は、

南渓和尚の手厚い読経の後

人々が悲しみに暮れる中、

埋葬された。

そこへ、早馬に乗った伝令が

駆け込んで来た。


今川軍惨敗。

今川義元様、討死。

井伊直盛様、

ご自害に御座います。


もはやこれまで。

井伊直盛、桶狭間の合戦で死す。


父上、、


物言わぬ井伊直盛が帰還した。


こう立て続けに葬儀とは、

この世は酷いものじゃの。


この井伊をどうするのじゃ?

おとわ。


父上に許しを請うつもりで

おりましたが、

こうなりました以上、、


そうか、、

やはりそうなるか。


はい。

許嫁の亀が親の咎の為に

この井伊を離れる事になり、


それでも私は他の誰かの妻に

なるのが嫌じゃったから、、


そうじゃな。

だから、出家したのであったな。


今は、亀はお前の側におる。

亀のしのとの祝言ものうなった。


お館様が亡くなられた今、

次の当主は自ずと決まっておる。

そうじゃな?


はい。


お前の役目を

今こそ果たすのじゃ、おとわ。


はい!

当主井伊直盛の葬儀が終わり
動揺する家臣達。


あの今川が惨敗!

今川義元も討ち死にとは、、

これから

我ら井伊はどうなるのじゃ?

不安を訴える家臣におとわは、


母上!

私は還俗し

直親と夫婦になろうと思います。


何と?

今、何と申しました?


この事態、私が直親の妻となり

直親を井伊の当主にするが

最良の策かと。


奥方様、私もそれが良いと

思います。

それも出来るだけ早くに。


当主が不在と知られれば

良くない者も

集まって参りましょう。


確かにそうじゃ。

直親の言う通り、当主無き井伊は

直ぐに近隣の諸大名から

狙われましょうぞ。



しかも、我ら井伊は

今川勢であったのだ。

このまま織田に滅ぼされても

仕方のない立場。


だからこそ、直親に当主として

我が井伊の存続をかけて

織田側と交渉して貰わねば。



そうですか、分かりました。

母は、お前を信じています。

思うようにやってご覧なさい。


おとわ様、直親様、、

我々もお2人について参ります。


よし!

では早速祝言じゃ!


そうじゃな。

そうしよう。


父上、この井伊は私と直親が

必ずや守り抜いてみせましょう。


どうぞ安心して成仏召され。


そして、還俗したおとわと直親の

祝言が急ぎ執り行われ、

井伊直親は正式に当主となった。

翌朝、、


では、瀬名を元康様の元へ

連れて行こう。

瀬名を座敷牢から連れて参れ。

すると、、


お館様!

瀬名様が、、

自害を図られました。


何じゃと!


一同が座敷牢に駆けつけると、


瀬名が舌を噛み切り倒れていた。


大丈夫じゃ!

まだ息がある!

早う薬師を!


瀬名は座敷牢から運び出されたが

意識が戻らぬまま眠り続けた。


瀬名が目覚めぬなか、田鶴の死を

元康様になんとお伝えしたら

良いものか、、

既に元康が桶狭間の合戦で

亡くなっている事を知らぬおとわは

深いため息をついた。


元康が死に至った理由。

それは、桶狭間での合戦が

まだ激しさを増していた頃に遡る。

当時丸根砦では、


令和から来た高校生達が、

仲間を奪還すべく激闘していた。


令和の知力を尽くし抵抗したが



次々に仲間は討たれ、


徐々に追い込まれて行った。


もうこれまでか、、


するとそこに

松平元康と家臣達が到着した。


あ、あれは!



待たせたのう!

元康は馬から降りると、


松平元康、

約束を果たしに参った。


この者達に加勢致す!


元康様!

次回も引き続きお楽しみ下さい🌸🐎


内容は全てフィクションです。


画像をお借りしました🙏