井伊の皆様、
田鶴が命、
この瀬名が貰い受ける。
亀!田鶴が瀬名に、、
おとわから文を受け取り
目を通した亀も、、
これは、、
一刻も早く田鶴を探さねば。
だが、何処を
探したら良いのじゃ?
すると、
私が探してみましょう。
そう言うと、しのはその場で
姿を消した。
そして、四半刻(30分)過ぎた頃
再び現れ、、
田鶴様は峠にいらっしゃいます。
山賊まがいの
野卑な男達に取り囲まれて、、
私は直ぐ田鶴様の元に戻ります。
直親様、おとわ様は
後から急ぎ起こし下され。
田鶴様は、私の友。
このまま瀬名様の思い通りには
させませぬ。
そう言うと、しのはその場から
姿を消した。
しの、頼んだぞ!
亀、館に残っておる者を
集めて直ぐに峠に向かおう。
よし、分かった!
その頃、峠では、、
瀬名様、何処に行ったの?
わしらは、山賊じゃ!
どうじゃ?
そんな!嫌よ!
誰か!
キャア〜!
![](https://stat.ameba.jp/user_images/20240609/21/momo9479/bd/b5/j/o0491059815449543778.jpg?caw=800)
その時、田鶴を庇うように
しのが現れた。
待や!
この者に害をなす者は
田鶴様!
瀬名様の?
違うわ!
瀬名様は竹が戦に持って行く
お守りを届けてくれて、
一緒に届けに行こうと
瀬名様は、
きっと怖くなって
何を申しておる。
その元康様への話も皆、
作り話なのです。
その時、恐れ知らずの山賊の
1人が田鶴に飛びかかって来た。
その山賊を睨みつけるしの。
田鶴様、
しの様、、
![](https://stat.ameba.jp/user_images/20240609/21/momo9479/13/07/j/o0491059815449543769.jpg?caw=800)
元来た道を、、
田鶴もようやく我に帰り、
分かったわ!
![](https://stat.ameba.jp/user_images/20240609/21/momo9479/13/07/j/o0491059815449543769.jpg?caw=800)
しのにそう言うと、
元来た道を駆け出した。
ところが直ぐに、、
田鶴様、、田鶴様、、
分かったわ!
早う私に掴まって!
瀬名様に1歩だって
近づけてなるもんか!
瀬名を庇い、山賊に向かって
棒切れを振り回す田鶴。
再びしのの亡霊が、
田鶴様!
瀬名様が貴女を殺めようと
しの様!
瀬名様はそのような方ではないわ。
1人の山賊が振り下ろした木刀が
田鶴の後頭部を打った。
瀬名様!
どうか逃げて、、
それが崩れ落ちた田鶴の
最後の言葉となった。
田鶴はその後、意識が戻らぬまま
男達の慰み者にされ息絶えた。
何じゃ、もう死んでしもうたか。
つまらぬ。
しのの亡霊が立ちはだかった。
私だけでなく
いつ私が手にかけた?
私は何もしておらん。
この恨み、晴らさずに
冥土に行けようか!
![](https://stat.ameba.jp/user_images/20240609/22/momo9479/18/44/j/o1080124715449560539.jpg?caw=800)