井伊の皆様、

田鶴が命、

この瀬名が貰い受ける。


亀!田鶴が瀬名に、、

おとわから文を受け取り

目を通した亀も、、


これは、、


一刻も早く田鶴を探さねば。 


だが、何処を

探したら良いのじゃ?

すると、


私が探してみましょう。

そう言うと、しのはその場で

姿を消した。

そして、四半刻(30分)過ぎた頃

再び現れ、、


田鶴様は峠にいらっしゃいます。

山賊まがいの

野卑な男達に取り囲まれて、、


私は直ぐ田鶴様の元に戻ります。

直親様、おとわ様は

後から急ぎ起こし下され。


田鶴様は、私の友。

このまま瀬名様の思い通りには

させませぬ。

そう言うと、しのはその場から

姿を消した。


しの、頼んだぞ!


亀、館に残っておる者を

集めて直ぐに峠に向かおう。


よし、分かった!


その頃、峠では、、


瀬名様、何処に行ったの?
あんた達は誰?


わしらは、山賊じゃ!
おなご1人で何処へ行く?


どうじゃ?
わしらと遊ばんか?


そんな!嫌よ!
誰か!
誰か来て!


瀬名様〜!

瀬名様〜!


それ!

かかれ!


キャア〜!
その時、田鶴を庇うように
しのが現れた。

待や!
この者に害をなす者は
私が許さぬ!


しの様!



田鶴様!

これは瀬名様のはかり事じゃ。


瀬名様の?


違うわ!
瀬名様は竹が戦に持って行く
お守りを届けてくれて、
一緒に届けに行こうと
言ってくれたのよ。


瀬名様は、
きっと怖くなって
その辺りに隠れてるんだわ!


私、こんな事で足止めされている
場合じゃないの。
早く竹にお守りを届けないと。


何を申しておる。
その元康様への話も皆、
作り話なのです。


その時、恐れ知らずの山賊の
1人が田鶴に飛びかかって来た。


その山賊を睨みつけるしの。


田鶴様、
屋敷にお戻りなされ!


しの様、、


元来た道を、、
早う!
しのの鬼気迫る表情に
田鶴もようやく我に帰り、

分かったわ!

しのにそう言うと、
元来た道を駆け出した。
ところが直ぐに、、

田鶴様、、田鶴様、、
足を挫いて歩けぬのです。


お願いじゃ!

私も連れて逃げて下され!


瀬名様!

何処に居たの?


足の痛みが酷く
声も出ずに呻いておりました。


分かったわ!
早う私に掴まって!


しかし、そこへ迫り来る山賊達。

逃げられないと観念した田鶴は、


瀬名様に1歩だって
近づけてなるもんか!
瀬名を庇い、山賊に向かって
棒切れを振り回す田鶴。
再びしのの亡霊が、

田鶴様!
瀬名様が貴女を殺めようと
仕組んだ罠なのですよ。

しかし田鶴は、、


しの様!
瀬名様はそのような方ではないわ。
戦の中、わざわざ竹の、、


その時、

1人の山賊が振り下ろした木刀が
田鶴の後頭部を打った。

ゴン!


瀬名様!
どうか逃げて、、

それが崩れ落ちた田鶴の
最後の言葉となった。

田鶴はその後、意識が戻らぬまま
男達の慰み者にされ息絶えた。


何じゃ、もう死んでしもうたか。
つまらぬ。


しかし、まぁ良い。

これで元康は私の物。


ほら、褒美じゃ!


山賊の前に貨幣を投げる瀬名。

すると、瀬名の前に

しのの亡霊が立ちはだかった。

私だけでなく
田鶴様まで手にかけるとは、、


いつ私が手にかけた?
私は何もしておらん。
殺ったのは他の者じゃ!


故に、私への恨み言は

お門違いであろう!


よくも抜け抜けと、、

この恨み、晴らさずに
冥土に行けようか! 

フフフ、、


何を笑うておる?


フフフ、、

この私に恨みを晴らすなどと
申すからじゃ!
ただの亡者に過ぎぬそなたが。


我が主なる魔王様、サタン様。
この身の程知らずの亡者を
冥土に送って下さいませ。


それも、冥土の底の底。

地獄へのう!


その時、早駆けの馬の足音が

聞こえて来た。


田鶴〜!

田鶴は何処じゃ〜!

次回も引き続きお楽しみ下さい🌸🐎


内容は全てフィクションです。


画像をお借りしました🙏