お主達が、我が今川に加勢するなら

この元康が

お主達に加勢してやろう。


どうじゃ?

悪い話では無かろう。


話は分かった。

俺達に他に道はない。

引き受けよう!


そうか。それでは、

お主達の役目を話そう。


我らは、孤立しておる大高城に

武器や米を運びたい。


お主達は、その為に邪魔なる

丸根砦を攻めるのじゃ。

おそらくお主達の仲間も

そこに捕らえられておるだろう。


よし!みんなやるぞ!


絶対にあいつらを取り返すんだ!

その頃、井伊では、、


明日はいよいよ

桶狭間で合戦じゃ!


今川勢2万5千。

対する織田勢は3千。

織田に勝ち目は無いものと思うが、

皆、気を引き締めてな。


は!


そして、翌朝

井伊直盛率いる軍勢が出陣した。


亀、戦はどうしたのじゃ?


いや、、それがお館様から、

しのについていてやれと

言われてな。


そうか。

そうじゃな。


しのは、恨みを晴らせば

此処に必ず戻って参る。

その時に出迎えてやるのは

やはり、私などより

お前をおいて他におるまい。


分かっておる。


それでは私は、寺へ赴き

南渓和尚と勝ち祈願をして参る。

しのの事を頼んだぞ。


そう言い残し、おとわは屋敷を出て

寺へ向かった。

一方その頃、、


竹、、大丈夫かな。


田鶴様、、

お探し致しましたが、

此処にいらっしゃいましたか。


あ!

貴女は瀬名様、、


ええ、先日お目にかかりました

瀬名でございます。


どうして此処へ?

何しに来たの?

何しに?


しっ!

お静かに!

声が高う御座います!


だって、

私を殺しに来たんでしょ?


何の話で御座いますか?

私は元康様からのご伝言を田鶴様に

内密にお伝えに参ったのです。


え?

竹が私に?


ええ、どうしても急ぎ田鶴様に

頼みたき願いがあると。 


何か私について

酷い誤解が有るようじゃが、

今は、そんな事を

話しておる場合ではないのです。



今川と織田の戦が始まって

おるのをご存知か?


うん、知ってるわ。

だから、

竹が大丈夫か心配してるの。



元康様からの頼みと言うのは

他ならぬ貴女様にしか出来ぬ事。



瀬名は田鶴の前に

1枚の護符を差し出した。


これは戦守りの護符に御座います。

この護符に田鶴様の血を

1滴欲しいのです。


わ、私の血?

どうして?


この護符は、

明日元康様が出陣される際、

身につけて戦に向かわれるもの。



何時いかなる時も田鶴様と共に。

そして、必ず生きて

再び田鶴様の元へ。

そのご覚悟で

身につけていかれるのです。


その為に、田鶴様の血を1滴

付けて来て欲しいと頼まれました。



分かったわ!


田鶴は、縫い針を持って来て

指を刺すとこぼれた血を

護符に付けた。


ありがとう御座います。

峠を下った先の陣地に元康様が

いらっしゃいますので、

これから急ぎ届けに参ります。 


良ければ田鶴様も

ご一緒にいかがですか?



竹がそんなに近くに?

竹に会えるの?

私も行くわ!


それは元康様も

さぞお喜びになる事でしょう。

では、参りましょう。


待って、誰かに、、



田鶴様、これは元康様より

秘密裏にと伺っております。



もし、どうしてもと

仰るのでしたら、文を書いて

おいて置かれては。



だけど、私、

字が書けないの。 



そうで御座いますか。

では、私が代わりに書いて

差し上げましょう。



瀬名はそこにあった紙に 

サラサラと文をしたためた。


さ、これで田鶴様が

元康様の所にこの護符を届けに

参ったと皆が分かるでしょう。



さぁ、参りましょう!



うん!


田鶴は瀬名と共に屋敷を出た。


次回も引き続きお楽しみ下さい🌸🐎


内容は全てフィクションです。


画像をお借りしました🙏