近寄るな!

瀬名の緊迫した声は

屋敷中に響き渡り、それを聞いた

元康は瀬名の元へ駆けつけた。


瀬名様、どうなされた?


ああ、元康様、、

今、ここにしの様の亡霊が、、


しの様の亡霊?


では、しの様は亡くなっておられる

と言う事か?


そ、そのようで御座いますな。

私も驚きました。


しかし、なぜ瀬名様の元へ?



それは、私もよう分かりませぬ。

尋ねようとしたら、

消えてしまいました。


もしかすると、

しの様に最後に出会うた私に

自分を殺めた賊について

知らせに参ったのやもしれませぬ。


しの様に最後に出会うたのは

瀬名様なのじゃな。


はい。

それ故、私に

訴えでたのやもしれぬと、、


そうか、よく分かり申した。


皆の者、出合え!

元康は叫んだ。


このおなごを即刻捉え、

井伊に引き渡すのじゃ!


元康様、いきなり何を?


瀬名様、しの様を殺めたのは

そなたなのじゃな!


お待ち下され!

何故そのような事を、、


ご自分の話された言葉を

忘れたか!


私が何を申しました?



しの様に最後に会うたのは

自分だと申されたな。


はい、左様です。



最後にとは、その後しの様が

殺められた事を知っておるから

言える言葉じゃ。

何故しの様の死を知っておる?



それは、井伊でそう聴き及び、、



ならば何故、先程わしが、



しの様の亡霊?


では、しの様は亡くなっておられる

と言う事か?


と、尋ねた時、



そ、そのようで御座いますな。

私も驚きました。


と答えたのじゃ?

亡くなっておるのは

既に知っていたのであろう?

訳を申してみよ!


ううう、、これは迂闊な!

抜かったわ!


魔王様、サタン様、、

私にどうかお慈悲を、、


途端に辺りに煙幕のような

煙が立ち込めた。

その煙の中で瀬名の声が響いた。


何があろうとも諦めぬ。

我が想い、ここに捧げ奉らん!

アハハハ!

そして、煙幕が晴れた時には

瀬名は既に消えていた。


神隠しじゃ!

それも邪神による神隠しじゃ!

元康は駆けつけた家臣に告げた。


井伊じゃ!

井伊へ向かおうぞ!

瀬名様がしの殺しの下手人じゃと

知らせねば。

しかしそこに、


元康様!


ただいま今川義元様より、


突如現れた面妖なる城を、

急ぎ見て参れとの

お達に御座います。



面妖なる城?


よし、分かった。

では、皆の者ついて参れ!


は!


そして、一行は

いきなり現れた面妖なる城へ。


そこにたむろしていた者達を

取り囲んだ。


この地は我が今川の陣地。

我が名は松平元康。


お主達は何処から来た?

名は何と申す? 


お、俺達は

令和の日本から来た高校生。

俺の名は西野蒼だ。


令和じゃと?

高校生?

何の事じゃ?


織田軍に友達が捕まった。


取り返しに行きたい。


織田軍、、

織田信長に捕まったじゃと?


諦めるが良い。

織田信長の捕虜なれば

奪い返すはまず無理であろう。


俺達はどんな事があっても

諦めない!

絶対に仲間を取り戻す!


お主、蒼と言うのじゃな。

良き目をしておる。


我らもこれから

織田軍との合戦が控えておる。


上手く行けば、その場にて

お主が言う"仲間"を

取り戻せるやもしれん。


お主達が、我が今川に加勢するなら

この元康が

お主達に加勢してやろう。


どうじゃ?

悪い話では無かろう。

次回も引き続きお楽しみ下さい🌸🐎


内容は全てフィクションです。


画像をお借りしました🙏