だから僕は

三浦春馬さんになりたかった。

本当の三浦春馬さんに、、

ハルマはそのまま動かなくなった。


キャア〜!

ハルマくん〜!


まろちゃんの悲鳴を聞いて

2階の自室から駆けつけた渉。


まろちゃん!

大丈夫だから落ち着いて。


落ち着いてって?

この状態の何処が落ち着けるの?


そんなの落ち着ける訳無いでしょ!


良いから!

大丈夫なんだよ!


ハルマくん!

ハルマくん!


まろちゃん、コーギー達を見ろ!

みんな落ち着いているだろ。


みんな、心配ない事を

知っているんだ。


え?

一体どう言う事?


済まなかった。

先に謝るよ。

そして渉は、

まろちゃんに説明を始めた。


僕はハルマと同じ会社で作られた

新型アンドロイド。


え?渉くん、、貴方、

本当にアンドロイドだったの?


うん。正確には

ヒューマノイド型アンドロイド。


ハルマのような

人型アンドロイドより、

更に人間に近い

アンドロイドなんだ。


そして、俺はハルマのような

旧型アンドロイドを

バージョンアップさせる

任務を担ってる。


しかし、このバージョンアップ

に際してある問題が指摘された。


それは、バージョンアップ後の

適応障害。


俺達アンドロイドは、

旧型であっても

かなり人間に近い精神構造で、


その為、肉体である機能部分が

バージョンアップする事に

精神がついていけず、結果

適応障害を引き起こす事が

判明してね。


その解決策は、


本人が自分から

現在の自分を変えたい

と言う変化の意思を持つ事だと

分かったんだ。


変化の意思?


そう。

今の自分を変えたい

新しい自分になりたい


この思考が有れば

バージョンアップ後の新しい自分に

スムーズに適応出来ると

分かったんだ。


その為には、自然な形で

本人の劣等感を刺激し、

変わりたいと思わせる事が

重要で、、


その役目を貴方が担っていたと

言う訳ね!


その通り!


じゃ、バイトの募集をしてたって

うちの店を訪ねたのも、、


ああ、そこからが今回の

ミッションのスタートだった。



あのニセの募集のチラシ、、


うん、俺が自分で作ったんだ。

よく出来てただろ?



そうだったのね、、



ハルマくんに近づき、

彼の様子を見ながら、、


多分もうバージョンアップ

出来るだろうと言うところで、

バージョンアップ操作をした。



操作?

どうやって?


ハルマくんは

ずっとうちに居たわよ!


ああ、それは外的に何かを

操作する訳じゃないんだ。


ただ命令を出すだけ。



バージョンアップとでも囁くの?


アハハハ!

そんなにストレートには

言わないけど近いかな。


え?

本当に?言葉だけで?


うん、そうだよ。


天空の城ラピュタを知ってるかな?


勿論知ってるわ。


ラピュタの滅びの呪文は?



確か、、バルス


そう。

その言葉を発したらラピュタが

崩壊するんだったよね。



バルス!


え?じゃ、ハルマくんには

何て言ったの?


ああ、

こんな風に言ったんだ。


お前はついて来るなよ!
人間の命令は絶対なんだよな?
ついて来るな。
これは命令だ!


まず「ついて来るな」

と言う言葉で

バージョンアップ機能が

体内で立ち上がり、


その後の「命令と言う言葉で

実行される仕組みなんだ。


そうだったのね。

次回も引き続きお楽しみ下さい🌸🐎


内容は全てフィクションです。


画像をお借りしました🙏