そんな馬鹿な!


すると、今度は脳裏に

龍馬が現れた。

何をごちゃごちゃしちゅう!

あの時も言うたやないか!


わしの娘は、おまんが

心配するような娘やない。


正々堂々じゃ!

どんな時も正々堂々ぜよ!


いや、正々堂々と言われても、、

それじゃお前は、

梅子ちゃんの気持ちを

俺に受け入れろと言うのか?


何を言うがじゃ!

分かっとらんの!


おまんが正々堂々と

梅子に気持ちを告げた上で、

梅子に決めさせろと言う事よ。


梅子が自ら選ぶんじゃ!

おのれの伴侶もこれからの人生も!


わしは、女将に良い男を探せと

頼んだだけじゃ。


あくまでも、決めるのは

梅子でのうてはあかん。


それを、利助もおまんも

自分の想いだけで

梅子を振り回そうとしちゅう。


おまんに至っては、

その気も無いのに女中と結婚なんぞ

と、つまらん猿芝居を企ておって!


お前の言う通りだ、龍馬。

本当にすまん。


明日、梅子ちゃんに

ちゃんと話すよ。


それでええ。



お前はもし俺が

梅子ちゃんの亭主になっても

構わないのか?



ああ、勿論じゃ!



わしの梅子が選ぶ亭主は

誰であろうが

日本一に決まっちゅう!


アハハハ!
龍馬はそう笑うと
五代の脳裏から消えて行った。

龍馬、、
あの世に居てもお前はずっと
あの子を見守っているんだな。


お前の言う通り、あの子に
この先の未来を選ばせる。
安心してそこから見ていてくれ。


梅子、、

明日、君にちゃんと話す。

朝までゆっくりお休み。

五代は梅子の部屋を出て

自分の寝室に向かった。


部屋の襖を開けるとそこには、、


旦那様〜♡


わ!悦子さん!


そんな下着姿でどうしたの?


いえ、、あの、、

作戦とは言え、



旦那様と同じお部屋で

寝かせて頂けるなんて!


感激の余り、気持ちが

舞い上がってしまいまして、

服なんか何処かへ

ヤッホー!なんて♡


ああ、そうかそれで、、


悦子さん、喜ばせておいて

本当に済まないが作戦は中止だ。


は?作戦中止?

旦那様とわたくしの

架空恋愛作戦が中止

と言う事で御座いますか?


ああ、そうなんだ。

明日梅子に本当の事を話す。

悦子さん、貴女とは何でもないと。


だからもう、その腕を降ろして

服を着てくれないか?


あ、はい、、

ですが旦那様、急なショックで

今、両腕が攣りまして、、


このまま

1ミリたりとも動かせません。


悦子さん、、


済まない。

こんな時に笑ったりして。



だけど、俺の部屋で眠れない

ショックで、はしゃいで上げた

腕が攣っただなんて、、

貴女はなんて可愛い人なんだ!


俺は、貴女に好きになって貰えて

本当に嬉しいよ。


さ、泣かないで。
腕を降ろして
着替えるのを手伝おう。


ありがとうございます。

旦那様、、

その後、五代の助けもあり、

無事に腕の攣りも無くなり

着替えを済ませた悦子。


助かりました。

本当にありがとうございました。


先ほどはあのように、
旦那様の逞しい胸元に
勿体無いほど密着させて頂き、、


悦子さん、大丈夫だから
もう泣かないで。
ほら!俺の胸に
もたれかかって良いから
とにかく腕の力を抜いてご覧。


ちょっと腕をゆっくり引っ張るよ!
ほら!上手く行った!
もう攣ってないね?

ああ、良い香り♡


腕の攣りを

旦那様に治して頂いた思い出。

この胸のときめきと共に、

わたくしの一生の宝に致します。


そうか、それは良かった!


それじゃ、悦子さんお休み。


はい。

お休みなさいませ、旦那様。

そして翌朝、、


わ!もうこんな時間!

休みだからって寝坊しちゃった!


梅子、おはよう!


父上、おはよう御座います。


今日は、俺も休みだ。

この前の夜、

梅子に話せなかった事を

話したい。


あ、はい、、


外で話そう。

そう、梅子と初めて出会った

あの桜の下で。

次回も引き続きお楽しみ下さい🌸🐎


内容は全てフィクションです。


画像と動画をお借りしました🙏