ほら、やっぱり!って

悦子さん、何か知ってるの?


ですから、わたくし

申し上げようとしたんです、、


が!


やはり求婚話と言うものは

旦那様のお口から直接でないと。

わたくしの口から、 

勝手に申し上げるわけには

いかないと思いまして、、


いえ、それは、、

わたくしの口からは何とも。


と申し上げますと、

お嬢様が私を探るように、、


悦子さん、、

その話って、まさか

父上が愛している人の話?


と、仰いましたので

わたくしも、、


ええ!ええ!

そのまさかで御座いますよ!


と、お答えしましたら、


じゃ、父上が

何て仰ったと思うの?


と、お聞きになるので、



それはやはり、、

婚姻に繋がるお話なんじゃ

ないでしょうか?


と、お答えしたら、、



婚姻?


と、戸惑っていらしたので、

わたくし、

お2人を応援するつもりで

この胸の切なさを隠して、、


ええ。

やはり想い合う2人は

結ばれなくては、、


と、申し上げたんです。


すると、いきなり取り乱され、


嫌!

私、絶対に嫌よ!


女学校に行って来ます!


そう叫んで家を飛び出して

行かれたんで御座います。


(五代の心の声)

きっとあの言葉が、梅子を

誤解させてしまったのだろう。


五代は、昨夜の自分の言葉を

思い出した。


あと、俺の好みの女は歳上の、、 

そうだな、、


女中の悦子さんみたいな女だ。


だから、想い合う2人

悦子さんに言われて、、


想い合う2人、、

結ばれる、、



俺と悦子さんの事だと

勘違いしたんだろうな。


大体の事情が分かったよ。

悦子さん、ありがとう。



あと、悦子さん、

俺を愛してくれてありがとう。


ただ俺は、亡くなった

遊女はるを今も愛している。


悦子さんの想いを

受け入れられないのはその為だ。

年齢差のせいではない。


俺は貴女を 

とても美しい70代のご婦人だと

いつも思っているよ。


まぁ、、旦那様、、


だから、

もうそんなに泣かないで。

 

五代に優しく慰められて

悦子の顔に笑顔が戻った。


貴女と結婚は出来ないけれど、

この屋敷の事をこれからも

よろしく頼むよ。


はい、、

はい!旦那様!


さ、そこで悦子さん。

俺の作戦に一役買ってくれ!


ええ、ええ。

旦那様の為なら、

一役でも二役でも買いますわ!

そこで五代は、梅子を取り巻く

状況を説明した。


なるほど、

そうで御座いましたか、、


あしながおじさんは旦那様だと

そんな恋心をしたためた手紙が

(イメージ)

あの時、本から

落ちて参りましたから、、


私はてっきり、お嬢様は 

旦那様を好いておられると

ばかり思っておりました。


いや、悦子さん。

多分その想像は正しい。


だが、俺はあの子を

龍馬の娘としか思えないんだ。


それに、先程話されていた

亡き遊女の方を

今も想っていらっしゃるからで

御座いますよね。


ああ、そうだ。

だから、昨夜俺は、

あの子に俺を諦めさせる為に、、


あと、俺の好みの女は歳上の、、 

そうだな、、


女中の悦子さんみたいな女だ。


と、話したんだ。


だから、俺からの話はおそらく

俺と悦子さんの結婚話だと

梅子は勘違いしたのだろう。


ま!それで朝、あんなに

取り乱されたので御座いますね。


ああ、そうだと思う。

次回も引き続きお楽しみ下さい🌸🐎


内容は全てフィクションです。


画像と動画をお借りしました🙏