偽名?

才谷梅太郎が?


そうだ。

君の父上の本当の名は

坂本龍馬

土佐の英雄、、

いや、日本の英雄だよ。


坂本龍馬、、
私の父上は坂本龍馬、、


その名を本当に知らないの?


ええ。

父の名どころか、
世間の事を何一つ知らずに
孤児院の中で育ったわ。


だけど、私の父上が
日本の英雄ですって?

嘘でしょ?


嘘じゃないよ。


それが本当なら、

日本の未来を考える前に、
自分の子である私の未来を
どうして考えてくれなかったの?

五代の胸で泣き続ける梅子に

五代は、、

これは、あくまで俺の憶測に
過ぎないが、、
カフェで話した通り龍馬、
つまり君の父上は
いつも命を狙われていた。


だから、君が

自分の子だと分かれば、、

さらわれて人質に取られたり、
最悪、殺されるような目に
遭うんじゃないかと
警戒したんじゃないかな。


だからって、なぜ孤児院に?


雪に白鷺。闇夜のカラス。

君はそんなことわざを知ってる?


いいえ。



どちらも、
目立たないと言う意味だ。


龍馬は恐らく、

君を孤児院に預ける事で、
親の素性が取り沙汰されない環境に
君を置きたかったのだろう。


そうでなければ、君を守れない。
そう考えたじゃないだろうか?


あ、、そんな、、


いずれにせよ、女将に1度
はっきり聞いてみるから、
君は俺の屋敷に、、


いや、ちょっと待てよ!

俺の屋敷には、、


五代さんのお屋敷に?


よく考えたら、嫁入り前の君を
俺の屋敷なんかに
置くわけにはいかないな。


どうして?


いや、どうしてって、、


五代さんは父上の
お友達なんでしょ?


さっきも、
私の身柄を引き取るって!


それはそうだが、、
うっかりしていた。
君が男だったら良かったんだが、、


私、五代さんの家に移ります。


いや、だからそれは、、
世間がなんて言うか分からない。


世間?世間が私に、今まで

何をしてくれたと言うの?


世間なんて関係ない!


それでも、、


私は天涯孤独!


女将は?


あんな人、赤の他人だもの!


それを言うなら俺だって、、


五代さんは違う!


違うの!

よし、分かった!

それなら一緒に女将の所に行こう。


え?


父親代わりであろうが

なんであろうが、

俺が君を引き取るなら

当然スジを通さないといけない。


スジを通す?


そうだ。

未来の花嫁として

君を貰い受けると言う事だ。


未来の花嫁?


ただし、俺じゃなくて、

誰かの未来の花嫁に、だが。


このままだと、気に沿わぬ結婚が

君を待っているんだろ?


女将には、建前として、

俺が君を花嫁として

貰い受ける事にしておいて、、


君は俺の所から、

自由に羽ばたけば良い。


羽ばたく?


そうだ。

女学校に行くのも良し。

好きな男が出来たら

結婚するも良し。


俺も、君のお父上同様

命を狙われていた1人だ。


自分の命を賭けて、君1人ぐらい

この俺が全力で守ってやる!

だからもう泣くな!


五代さん!

次回も引き続きお楽しみ下さい🌸🐎


内容は全てフィクションです。


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