あ、あの、、

貴方は誰なんですか?


まさかジェシーさん、、なの?


そのまさかだよ!


今夜は恋愛において超一流の

この僕が、君に忘れられない

とっておきの思い出

をプレゼントするって言っただろ。


僕は、他の誰も知らない

本当の僕

君にプレゼントしよう。


本当の僕、、


そうだ。

今、君の前にいる僕は

恋愛詐欺師のジェシーじゃない。

佐藤雅也。年齢は28歳。

ただの男だ。



佐藤雅也、、

それが本名なんですね。


そうだよ、優子ちゃん。



君はきっと僕の過去も調べて

知っているんだろうけど、、


僕は幼い頃、立て続けに

両親と死に別れて、、


施設で育った。


中高と荒れた生活を送った僕は、


高校卒業と同時に夜の世界へ。


運良く一流ホストクラブで

働き始めた僕が見た世界。

それは、、


貧乏人は金持ちに虐げられる。


そんな屈辱にまみれた

世界だったよ。


ある夜、僕は、

どうにも我慢出来なくなって

ホストクラブを飛び出した。


おりしもその日は、

クリスマスでね。

道ゆく人はみんな裕福に見えて、、


特に、着飾って歩く女はみんな

あの女のように傲慢に見えた。


僕はその時、心に誓ったんだ。


絶対に金持ちになってやる!

女を喰いものにして!


それから僕はホストクラブを

辞めて、君も良く知る

恋愛詐欺師ジェシーになった。


金持ちの女達は、ちょっとした

手管で簡単に僕に夢中になり、


金も山ほど貢いでくれた。



だが、あの日気がついたんだ。


〜心の声〜

僕は何時までこんな生活を

続けるんだろう。


〜心の声〜

相手は変わるとはいえ、毎回

口説いて落として金を貢がせて、、


〜心の声〜

金はもう充分にある。

こんな毎日はもう、、


〜心の声〜

終わりにしたい、、


〜心の声〜

とは言え、、

他に何をしたいのかも分からない。

やっぱりこんな日々が

続いていくのか?


まぁ!素敵!

外は雪ね!


雪、、ん?


窓の外の君を見た僕は驚いた。


君がまるで、

あのクリスマスの日の惨めな僕に

見えたから。

(頭に雪のイメージ)


〜心の声〜

何やってるんだ!


だが、君は次の瞬間、、


屋根から落ちて来た

大量の雪に埋まった。

(大量の雪に埋もれたイメージ)


僕は慌てて君の元へ向かった。


すみません、マダム。

ちょっとトイレに、、


そして、雪に埋まっている君を

助けだした。


何やってるんだ!

そして思ったんだ。


貴方を見張っていました。


雪の中に寒そうに佇む君を見て、



貴方を見張るって、

コートも無しでこんな寒空に!


今だって、僕が気づかなかったら

君はこのまま凍死していたぞ!


過去の自分を救う事は

もう出来ないけど、

目の前にいるこの人は救いたいと。


ありがとうございます。

でも、依頼を済ませないと

事務所には戻れません。


泣いている君を見て、

なお一層その気持ちが強くなった。


その後の事は、
全て君も知っている通りだ。


しかし、あの薄着で雪の中

良く大丈夫だったね。


あ、あれは、、

雪の積もった屋根に細工をして

ジェシーさんが、


今は雅也で良いよ。


分かりました。

あれは、雅也さんが、、


優子ちゃん、

話の途中なのにごめん。

先に謝っとくよ。


君は本当に可愛いな。


雅也は優子を抱き寄せると

優しく口づけた。


何もしないって言ったのに

我慢出来なくなっちゃった。


本当にもうこれ以上は

何もしないから安心して。


雅也さん、、


きっと、ベテラン風俗探偵として

訓練を積んだつもりになって、

寒さに耐えていたんだろ?



は、はい。

八甲田山で雪中訓練をしたくらいの

気持ちになって耐えました。


やっぱり君は間違いなく女優だよ。

しかも、芯の強い女優。


君の持っていた写真についていた

指紋から、君の正体が分かるまで

僕は明らかに君に騙されていた。


超上級恋愛詐欺師を騙すなんて!

君の演技力には脱帽だよ。

次回も引き続きお楽しみ下さい🌸🐎


内容は全てフィクションです。


画像と動画をお借りしました🙏