さよなら多江。

僕は本当に君を愛していたよ。


ジェシーは多江の手ごと

ナイフを自分の左胸に突き刺し、、

かけたが、、


駄目〜!

お願い止めて〜!


ごめんなさい!

貴方を信じなかった私が

全て悪いの!


出来ないわ!

どんな事が遭ったって

貴方を刺すだなんて、、


多江、、


僕は今も君を

心から愛してる。

どうか信じてほしい。


ええ、信じるわ。

私も貴方を愛してる。

お金なんかもう良いの!

貴方さえ側に居てくれたら、、


ジェシーは多江を抱きしめた。


側に居るに

決まっているじゃないか。

君の側に居られないのは、

仕事の時だけだ。


ああ、ジェシー、、

本当にごめんなさい。



多江、、

僕は勿論、君を許す。


だけど君は、僕以外に謝らなくちゃ

いけない相手が居るんじゃ無いか?

、、、、、


多江さん、、

貴女は芸能事務所の社長じゃない。

風俗探偵だったんですね。

そして、、


コンフィデンスレディ

の配役は、


もうとっくに

決まっているんですってね!


オーディションの話しなんて

最初から嘘だったんだわ!


私、多江さんを信じてました。


貴女には天賦の才能を感じるわ!

私と二人三脚で、
芸能界のトップを目指さない?

そう言ってくれた多江さん。

それを聞いて、

どんなに嬉しかったか。


これでやっと、

一流の女優になる為の道が開けた!

そう思っていたのに、、


優子ちゃん!

ごめんなさい!


本当にごめんなさい!


さようなら多江さん、、


それでも、、

全部が私を騙す為の芝居であった

としても、、

一流の女優になる夢を、

いつも熱心に励ましてくれた

多江さんを、私は恨みません。

そう言うと、蒼井優子は

泣きながら出て行った。


ちょっと待って!


多江、また連絡する!

蒼井優子を追いかけるジェシー。


道の先をトボトボ歩く

優子を捕まえた。


待って!


優子ちゃん!

何処へ行くつもりなんだ。


ジェシーさんのお家です。

ジェシーさんのお家に置いている

荷物を取りに、、


うちを出て行くの?


はい。

もう全てが終わりましたので。


全てが終わったって?


既に配役は決まっていて、

せっかく所属出来たと思っていた

事務所は実在せず、

事務所の社長は偽物だった。


だから、荷物をまとめて、、


そうか、分かった。

それじゃ一緒に家に戻ろう。


そして、ジェシー宅にて、、


優子ちゃん、一流女優になる夢は

もう諦めるの?


ええ、、

田舎に帰ろうと思います。


そうか、、

それが良いよ!


この街は、目的も持たずに

ウロウロしていたら、

すぐ他人の餌食になってしまう

場所だから。


そうだ!

確か、田舎に帰ったら、

駅員の彼と結婚の予定


も有るんだったね?


はぁ、まぁ、、

だけど、親同士が

勝手に決めているだけで、、



駅員の彼って言っても、

ただの幼なじみなんですよね。

それに彼には遠距離の彼女がいるようだし、、


ジェシーさん、、

女優も詐欺師と同じですよね。


自分の心を偽って、精一杯

ベテラン風俗探偵

演じました。


ジェシーさんに会った途端、

多江さんに教わった

男の落とし方を全部

忘れてしまった私は、


ベテラン風俗探偵なら、

どう言うか、どう判断するか、

一所懸命に考えました。


その考えの中には、本当の自分は

何1つ含まれていない。

結果、私は上手く演じる事が

出来ませんでした。


やったことも無い風俗探偵の、

更にベテランと言う立場の

風俗探偵役は、

私には荷が重すぎたんです。


それでも、この役柄がきっと私を

一流の女優に導いてくれると

信じて頑張りました。


事実、私は孤児ではありませんし、

施設で育った訳でも無い。


そう、私は

ジェシーさんを騙したんです。


なのに何故、今も私に

優しくして下さるんですか?


何故僕が、君に優しくするか?


そうだな。

その答えはこれだ。

次回も引き続きお楽しみ下さい🌸🐎


内容は全てフィクションです。


画像と動画をお借りしました🙏