さ!本格的に

マッチ売りの少女作戦

スタートよ!


僕には僕の使命が有る!

警備員に連れ出される私を

見送ったジェシーは、


やぁ、お待たせ〜!


さ、誰から踊りましょうか?

本来の目的に集中しようと、

思い直したようだった。


では、お手をどうぞ!

しばらくマダム達と順番に

ダンスを楽しんだジェシー。


まぁ!素敵!

外は雪ね!

このマダム役の彼女。

実は詐欺師なんだけど、

ジェシーとは因縁があると

快く協力してくれたのよね。

ジェシーの視線を窓の外に

誘導する役だったの。


雪、、ん?

さ!ここからが私の見せ場よ。


私は、ジェシーが踊っている間に

頭や肩にたくさんの雪を

乗せておいて窓の外に立った。

(頭に雪のイメージ)


冬の八甲田山で訓練を積み、

体感温度−10度までは平気に

なった私が化ける人間雪だるま。


そして、これは後でちゃんと

説明するけど、

ジェシーの心を最もえぐる

マッチ売りの少女イメージに

変身成功!


(何やってるんだ!)

ほら!案の定

ジェシーは激しく動揺したわ。


あら?

どうかなさったの?


いいえ、マダム。

貴女の瞳が眩しすぎて

少し目を逸らしただけですよ。


あら?

窓の外に誰か居るわ!

それでもジェシーが行動を
起こさないので、ここでマダム役の
彼女が更に窓の外を強調。
しかし、、

マダム、、

どうかお気になさらず。


僕の瞳だけを見ていて下さい。 


貴女は雪の精のように美しい。

それでもやっぱり

超一流の恋愛詐欺師ね。

動揺を隠して女性を自然にリード。


もう、ジェシーったら♡

そんな風に、何とか動揺を隠して、

本来の仕事に集中しようと

頑張っていたようだけど、、


マダムの背に手を回し踊りながら、

窓の外の風俗探偵を

チラチラ見るジェシー。


(僕を見張るとは言ってたけど、

この寒空の中、コートも無しで、、)

やっぱり、こちらが

どうしても気になるようね!

よし!もう一押し!


今だ!

ドサドサドサ☃️


私は、細工しておいた

屋根から落ちた

大量の雪に埋まったの。

(大量の雪に埋もれたイメージ)


すみません、マダム。

ちょっとトイレに、、

遂にジェシーが動いた。

戸外に出て来たジェシーは、

雪に埋まっている私を

掘り起こしたわ。


何やってるんだ!


貴方を見張っていました。

ここからは、

マッチ売りの少女のように

悲壮感を全面に押し出して、、


貴方を見張るって、

コートも無しでこんな寒空に!


今だって、僕が気づかなかったら

君はこのまま凍死していたぞ!


ありがとうございます。

でも、依頼を済ませないと

事務所には戻れません。

さ、涙も追加して嘘の事情で

更に悲壮感を演出して、、


事務所に戻れない?

自分の家に帰れば良いじゃないか!


自分の家は有りません。

元々身寄りが無くて、

施設で育ちました。

身寄りが無く施設育ちだと
薄幸さをアピール。

高校卒業と共に施設を出た私を

拾って下さったのが、

風俗探偵事務所の所長さんで、


それ以来、

従業員として雑用をしながら

事務所に住ませて頂いてます。 

そして、現在の自分が

籠の鳥的な生活。

つまり、自由の無い状況だと

言う事もさりげなくアピール。


そして先日、

これからは風俗探偵として

働くように言われたんです。


そう言う訳でこの仕事を、、

と言う訳で、半ば無理に風俗探偵

にさせられたと言うイメージを

ジェシーに植え付けて、、


そうだ!

一応聞いておきたかったんだけど、

風俗探偵仕事内容

分かっているの?

憤るジェシーの気持ちを

更に煽るように、、


はい!

分かっています!


いや、、

君みたいな可愛い子が、、

他にも仕事があるだろう?


それでも拾って頂いた恩が

有りますから、、

これで、薄幸で健気な女である事を

印象づける事が出来たわ。


それに探偵事務所の所長は

とても恐ろしい人で、、

依頼を済ませるまで事務所に

戻って来るなと。

可哀想な境遇の彼女を

更に際立たせるためには、

悪役が必要。


このまま帰ったら、

きっと殴られます。

常時暴力的な所長と言う設定。

ジェシーのトラウマを利用して

庇護本能を刺激する作戦よ。


君の名前は?


私には名前はありません。

風俗探偵ですから。

此処での私は捨てられた子犬。

そんなイメージを植え付ける為

敢えて名無しにしているの。


職業柄、本名を名乗れないのは

僕も同じだ。


じゃ、君の呼び名だけでも

決めよう!

やったわ!

第一段階は成功ね!

何故なら、、


そうだな。

風俗探偵だから、風子と。

君の事を風子ちゃんと呼ぶよ。

捨て犬に名前をつけるのと同様

私に名前をつけたジェシーが

私を自分のものと判断し、

庇護下に置いたと分かったから。


じゃ、風子ちゃん。

ちょっと待ってて。

彼の心の中では、もう私は

知らない子犬じゃない。

「僕の子犬」なの。

それは分かっているけど、、


はい。

ここでパーティが終わるまで

ジェシーさんをずっと見ています。

彼自身にその気持ちを確認させる

意味でこう返す。


違うよ!

もう、今日は仕事は終わり!


マッチ売りの少女みたいな君を

見ていたら、マダム達を

口説く気も失せたのさ!


荷物を取ってくるから

待ってて!

はい、確認終了!

その日の仕事を放り出すほど

拾った子犬(私)に夢中ね。笑


はい。

そして、、


寒かっただろ?

何か温かいものでも

食べに行こう!

もうすっかり飼い主気取り。

子犬(私)の世話を早速始めた。


ありがとうございます。

〜〜〜〜〜
此処で、一旦
マッチ売りの少女作戦
ジェシーのトラウマについて
の関係性を解説するわね。


それは、ジェシーの生い立ちに

深く関係しているの。


子ども時代のジェシーは、

素直でとても可愛い子だった。


優しいお父さんとお母さん。

家族3人の温かな暮らしが

そこにあったの。

次回も引き続きお楽しみ下さい🌸🐎


内容は全てフィクションです。


画像と動画をお借りしました🙏