その日の夜、2人は、、


春馬さん、あのね!


ジュン、ちょっと良いかな?


あ、春馬さんから先にどうぞ。


良いよ、ジュンから話して!


じゃ、、

雅子さんの事なんだけど、、


え?

僕も雅子ちゃんの事で、、

そこで2人はそれぞれ自分が

感じた事を話し合った。


父親の疑似体験を楽しんでるって

仰ってたわ。

ご主人である藤木さんが、

そう言うお気持ちである以上、、


そうだね。

雅子ちゃんは、

今のままで充分魅力的だし、


父親の疑似体験と聞いて、

藤木さんの気持ちが

更によく分かったよ。

僕も同じ感覚になったから。


つまり、私達が考えた事は

余計なお節介。

大きなお世話だったのね。


そうだね。

良かれと思ったのは自分の価値観で

本当はどうかなんて、

当事者でないと分からないのに。


ええ、

春馬さんの言うとおりだわ。


だけど、人は失敗するから

学習出来るのよ。

失敗なくして成功なし!

つまり、、


失敗なくして成長なし

なのよ!


あ、ジュンの座右の銘が出た。

君はいつもポジティブだよな。


ウフフ!

私はそれだけ

失敗が多い人間なのよ!


じゃ、人よりそれだけ多く

学んでいるって訳だ!


それは、僕も同じだよ。

学ぶ事に、生きているも

死んでいるもない。


お互いにこれからも

沢山の事を学んで行こう!


ええ、そうしましょう。

2人は微笑みあった。


そして、次の日から、

春馬は毎日雅子と遊んだ。


春馬さん!


あの雲を見てて!


ハート型にして

春馬さんにあげる!


ほら、ハート型になって来た!
あともう少しよ!


ほら!完成!


雅子ちゃん、凄いよ!

どうやったの?


う〜ん!

よく分からないけど、

ハートになぁれ!って願ったの。


きっと、あの世に行けば

もっと簡単に出来るんだわ!


そうだ!

春馬さんもやってみてよ!


やってみてって、何を?


春馬さんも

雲を好きな形にするの。


え?僕が?

出来るかな?


出来るわよ!

春馬さんだって、

私と同じ死者でしょ?


それは、そうだけど、、


そうだな、分かった。

じゃ、雅子ちゃんが好きな形の

雲にするよ。


え?

私が好きな形の雲を

作ってくれるの?


うん、そうしよう!


わ、うれしい!

だったら、私やっぱり

ハート型が良いわ!


ハート型が好きなんだなぁ。


だって可愛いもの。


で、どうやれば良いの?

本当にただ願うだけで良いの?


うん。そう!

強く願うの。


分かった。

じゃ、やってみるか!



春馬は、目の前に浮かんでいる

雲に向かって

芝居がかった仕草でこう言った。

我が雲よ!

雅子ちゃんの好きな

ハート型になれ〜!


すると雲はゆっくり形を変えて

行き、やがて、、


ハートよ!


ハート型の雲だわ!


雅子ちゃん。

さ、この雲は貴女のものです。



僕から雅子ちゃんへ

沢山の愛を込めて♡


わ!ありがとう!

春馬さん、凄い!

私よりずっと上手だわ!


本当?

それはうれしいな!

そんな風に遊んだ帰り道、、


どうして雅子ちゃんは

ハート型が好きなの?


だって、ハート型は

大好きです

の代わりでしょ?


大好きですの代わり?


うん。

言葉で言わなくても

ハート型を見せれば伝わるわ。


大好きですの代わりかぁ、、



そこへ近所中に響き渡るような

大声が聞こえて来た。


ええ!

何度だって言ってやるわ!


貴方なんて大嫌いよ!

この裏切り者!


悦子〜!

次回も引き続きお楽しみ下さい🌸🐎


内容は全てフィクションです。


画像と動画をお借りしました🙏