じゃ、次!

そう、次はね、、


そうだ、春馬さん。

ちょっと横になって。


え?横に?


うん。横に。


分かった。


秘密基地の中の草の上に

横たわった春馬。

雅子は

草で春馬をしっかり包むと


直人さんは、いつも

風邪をひかないようにって、

掛け布団で私をこんな風に

包んでくれるの。


だから、これからは私も

包んであげようと思うわ。


春馬さん、嬉しい?

私の愛を感じた?


うん、感じた!

ちゃんと感じたよ!


そう、良かった〜!


じゃ、次はね、、

春馬さん、私の顔をじっと見て。


え?

雅子ちゃんの顔を?


分かった。

これで良い?

春馬は、雅子の顔を

じっと見つめた。


ええ、それで良いわ!


直人さんは何時も私の顔を見て 

ニコニコしているの。


だから、今度から私も直人さんの

顔をこんな風に見て、、

そしてニコニコしようかな。


春馬さん、今、嬉しい?

私の愛を感じた?

春馬は雅子の美しい微笑みに

見惚れて感嘆のため息をついた。


うん! 

間違いなく直人さんも喜ぶよ。


雅子ちゃん、、

君は本当に綺麗だな。


春馬さん、すごく嬉しそう。

私の愛を物凄く感じたのね!


これで直人さんの呪いは

ちゃんと解ける?

私達、本物の結婚が出来る?

雅子の無邪気な言葉の中に、

一途で健気な愛を感じた春馬は、


雅子ちゃん、

もう結婚ごっこは止めよう。

この遊びは、君には

必要なかったみたいだ。


え?どうして?


雅子ちゃんが、

もう本物の結婚をしていたと

気がついたから。


君は直人さんを愛する

最高の奥さんだと思う。


それに、直人さんもそれを

とっくに知ってらっしゃると

感じたからさ。


え? どう言う事?

私の何処が最高の奥さんなの?


これは男性目線での話だから、

女性の雅子ちゃんは、

よく分からないかもしれないね。


とにかく、僕も雅子ちゃんが

最高の奥さんだと思ったって事さ!


そうか、、

春馬さんが言うんだもん!

きっとそうなのよね。

うん、分かった!


雅子ちゃん、

君はなんて素直で可愛いんだ、、

雅子の笑顔を見た春馬は

無意識に雅子を抱きしめ、

そしてハッとした。


この気持ち、、

あの時と同じだ。


あの時の回想〜16話

じゃ、春馬さんは

もう私に許されたわ!

春馬は、無意識に雅子を

自分の胸に抱き寄せた。


雅子ちゃん、、

許してくれてありがとう。

〜〜〜〜〜

雅子ちゃん、

急に抱きしめたりしてごめん。

春馬は慌てて身体を離した。


え?別に構わないわ。

春馬さんはお友達だもん!


そう屈託なく笑う雅子の笑顔を

見ているうちに、

春馬の目から涙が溢れて来た。


春馬さん、どうしたの?


あ、いや、、ごめん。


ただ雅子ちゃんと一緒にいると、

雅子ちゃんが子どもみたいで

可愛くて、、


もし、自分が父親になってたら

雅子ちゃんみたいな可愛い娘が

居たのかもな、、って。


死んでからこんな事言ったって

仕方ないんだけどさ!


春馬さん、、


ね、春馬さん!

私が何時でも春馬さんの

子どもの代わりになってあげる。

だから泣かないで!


これからも一緒に

いっぱい遊びましょ!


雅子はそう言うと、

春馬に飛びつき

その身体を抱きしめた。

(イメージ)


ありがとう、雅子ちゃん。


偶然にもこの日の朝、

バスの中で藤木はジュンに

こんな話をしていたのだった。


それは、そちらも同じでしょうが

我々夫婦は、雅子が死者なので

もう子どもに恵まれる事は

あり得ない訳です。


だからと言う訳では有りませんが、

僕は、雅子がゆっくり

大人になってくれたら良いと

思っているんです。


雅子のおかげで

父親の疑似体験が出来る。

近頃はそれも悪くないなってね!


はぁ、そうでしたか。


ジュンの心の声

私達が計画した事は、

大きなお世話だったのね。


今日帰ったら、春馬さんに

雅子さんの大人化計画を

早急に中止するよう言わなくちゃ。

〜〜〜〜〜

次回も引き続きお楽しみ下さい🌸🐎


内容は全てフィクションです。


画像と動画をお借りしました🙏