こんな時に僕を気遣える貴女は

もう立派な大人ですね。


でも1つ

お尋ねして良いですか?


はい。

何でも聞いて下さい。


さっきから、

なぜ僕のシャツの裾を

掴んでいらっしゃるんですか?


あ、それは、、

ごめんなさい、、


こうして何かを掴んでいないと

悲しすぎて倒れそうなんです。


今すぐ手を離します。

本当にすみません。


SAKURAはそう言って、

慌てて春馬のシャツを

握っていた手を離した。

(イメージ)


ああっ、、

よろめくSAKURA。

しかし、春馬が優しく抱き留めた。


SAKURAさん大丈夫ですか?

優しくSAKURAを覗き込む

春馬の顔。


(春馬さんは、いつもこんな顔で私を見ていてくれた。)


(そう、、ここに来てから何時も。どんな時も。)

SAKURAの脳裏に

春馬の優しい顔が

幾つも浮かんでは消えた。


SAKURAさん。


SAKURAさん。


SAKURAさん。


い、いえ、、

大丈夫じゃないです。


ええ、、

全く

大丈夫じゃ

ありません


わ、私、、

失恋したんです!


それも遂に大好きになった

初恋の人に

そう言うなり、SAKURAは

自分を抱きしめる春馬の胸に

顔を埋めてワンワン泣いた。


SAKURAさん、、

自分にしがみつき、

子どものように泣きじゃくる

SAKURAに春馬は、、


SAKURAさん、、

貴女はやっぱり特別な人だ。


こんな貴女をどうしたって

放っておけないじゃないですか!


その時だった。

辺りに生臭い風が吹き始めた。


しまった!

我を忘れて話しておった。


我らを見つけた邪神が来るぞ!


お主、刀は使えるか?


は!わたくし直馬は、

元康様を加勢いたします!


よし!

それはありがたい!

そして、元康は

春馬とSAKURAの前に来ると


そなた達は命ある者。

此処に長居すれば命の保証は無い。


邪神が来る前に、

早く此処から立ち去るのじゃ!


そうです。

邪神の姿を見てしまえば

もう地上に帰れなくなる。


この忘れな草をお守りに。


邪神の気配を感じたら、

振り返らずに

背後に投げるのですよ。


忘れな草は一時、私の姿になり

邪神の追手を食い止めて

くれましょう。


そう言って

SAKURAに手に余るほどの

忘れな草を持たせた田鶴は、


春馬に向き直ると、、


お坊様、、

貴方の清いお心を何時迄も

忘れません。


今度こそお別れでございます。

さようなら。


貴女もどうかお元気で。


さようなら。


春馬さん!

はるちゃんは?

はるちゃんはどうするの?

すると、、


SAKURAさん、

私の呪いは解けたけれど、

私もあの女と同じで

呪いの為に命が長らえていただけ。


だから、さっき呪いが解けたと

同時に死んだのよ。


だけど、これで良い。

これで最愛の直馬様と

この黄泉で暮らして行ける。


はるちゃん、、


SAKURAさん、

貴女は本当に可愛い人。

短い間だったけど楽しかったわ!

春馬さんと幸せになるのよ。


はるちゃん、君まで

そんな昔の人だったなんて、、


ウフフ♡

いつの時代も

男にとって女は謎なのよ!


春馬さん、私達

長い間、良い相棒だったわね。

楽しかったわ、本当に。

SAKURAさんを大切にね。


そして、持って来た柿を

春馬に渡し、


さっき聞いたでしょ。

邪神の姿を一目でも見たら

地上に帰れなくなる。

だから、地上に出るまでは

絶対に振り向いちゃ駄目よ。


追いかけて来た邪神に

背中を掴まれた時は、

この柿を背後に投げて。


邪神が、

柿を夢中で食べている間に

地上に向かって走りなさい!


分かった!

はるちゃん、ありがとう!


もう間もなく邪神が来る!

さ、2人とも急ぐのじゃ!



SAKURA殿、

そなたは可愛いおなごじゃ!

囁き声の特訓をしたら
きっと楽しかったであろうな。


何時迄も達者で暮らせ!


はい!

元康様も皆様もお元気で!


さようなら!


さようなら〜!


次回も引き続きお楽しみ下さい🌸🐎


内容は全てフィクションです。


画像と動画をお借りしました🙏