では、お主はどうすれば良いと

思うのだ?


行ってらっしゃいませ

え?


師範、行ってらっしゃいませ。

あとの事は、私が責任を持って

対処致します。

〜ナレーション〜

そう微笑む支部長の目からは

涙が溢れていた。

支部長は泣きながら、


元々世界は流動的なものです。

私は師範の志を応援致します。

姫君様とどうぞお幸せに、、

〜ナレーション〜

支部長は溢れる涙を隠す事なく、


師範のお幸せな姿を、

間近で拝見出来ない事だけが

誠に残念では御座い、、


もう止めい

〜ナレーション〜

師範はそう言ったきり、黙り込むと

いきなり館内に戻って行った。


はるまにあさん、

今、話した通り、僕は師範が

平安時代に行くのを止めないよ。


なんて事を言うんだと、

僕を軽蔑したかもしれないけど、

師範がに望むほど愛した女性。


それが、どこの誰で有ろうが

僕は同じ男性として、

師範を応援したいんだ。


剣術一筋とは言え、

あんなにモテるのに、

今まで妻を娶らなかったのは、

きっと、その姫君様と出会う運命

だったんだろう。


師範にもう教わる事が

出来ないのは残念だけど、、


それに師範にお仕えする事も、、

〜ナレーション〜

再び支部長の目から涙が溢れた。


師範とは長いお付き合い

なんですよね?


10年になるかな。

ごめんね。

こんな見苦しい姿を。


10年分の色んな事を、

つい思い出しちゃった。


支部長、、、

〜ナレーション〜

はるまにあは、気がつけば

そんな風に泣き笑いを浮かべる

支部長を抱きしめていた。


支部長、、

そんなに泣かないで下さい。

私だって寂しいです。


この前、あんな無神経な事を

言われたけど、でもやっぱり、、


はるまにあさん、、

〜ナレーション〜

2人は、お互いを労わるように

優しく抱き合い涙を流した。

その頃、師範は、、


ああ、今からわしが

やろうとしている事は、、


だが、姫君を

あのままにはしておけぬ。


わしを信じて待っておる姫君。


だが、わし無き後、、


あ、あの、ちょっと

よろしいでしょうか?


ど、どうした?


この前のアレ、、

まだ師範に謝ってもらって

なかったなと思って。


謝らないまま、

行っちゃうんですか?


何を申しておる。

勿論そなたに謝ろうと、、


あ、、、

〜ナレーション〜

はるまにあが泣いている事に

気がついた師範。


師範、、

私もひっぱたいたりして

ごめんなさい。


いや、謝らなくて良い。

わしが悪かったのだ。


無神経な事を申して、

本当に悪かった。

すまん。許してくれ。


そんなに簡単に謝られたら

拍子抜けしちゃうじゃ無いですか!

〜ナレーション〜

師範は、笑顔で泣き続ける

はるまにあを堪らずに抱きしめた。


わしの為に、

そのように泣くでない。


これからは、

支部長の元でしっかり稽古をして

皆伝を目指すのじゃぞ。

※皆伝=武術界の卒業証書的なもの


そのような事、私には無理です。

愛する兄上

側に居て下さらなければ。


そのような我儘を申すでない。

わしも別れは辛いのじゃ。


兄上であるわしも、

そなた1人をここに残し、、

ん?兄上


兄上?

お主、今、わしのことを

兄上と呼んだのか?


え?私、今、何か言いました?


ああ、言った。

お主は今、わしを兄上

呼んだのじゃ!

そしてそれに釣られて、わしも自分を兄上だなどと口走ってしまったではないか!


えーっ!何で?


どうしたんですか?

〜ナレーション〜

2人の声を聞きつけて、

支部長もやって来た。


この前、この者が意識を失った時、

わしの事を「愛する○○」と、

呼びおったであろう?


はい、、

でも、肝心の「○○」部分が

分からなかったんですよね?


そうじゃ。

だが、今、分かった。


え?


こやつはわしを愛する兄上

と呼んでおったのじゃ。

しかもコヤツにそう呼ばれた途端、わしもすっかり兄上気分になっておったわ!


愛する兄上⁈

はるまにあさん、どうして?


私にも分かりません。

だって、そんな事を言った

記憶が無いんです。


これは、、

そうか、もしかしたら!


私の考えを聞いて頂けますか?

次回も引き続きお楽しみ下さい🌸🐎


内容はすべてフィクションです。


画像をお借りしました🙏