熊本、大分地震から1年しか経っていないのに、
忘れていませんか?
森友、加計問題もあやふやなまま、
日馬富士の傷害報道で新しいニュースに目を奪われがちですが、
被災地の事、忘れないでください。
復旧、復興が進む熊本で、
予約がなかかとれないお宿、界 阿蘇に行って来ました。
星野リゾートに学ぶ地域作り。
ローカライズを掲げる星野リゾートは、阿蘇のカルデラの中にあります。
カルデラって?なんだ?
昔習ったような、、、とあやふやだったのですが、
「カルデラBAR」でカルデラの成り立ちを教えて頂けました。
アクティビティの一つとなっているので、行かれたらお願いしてみてください。
阿蘇はカルデラ(鍋の意味)なわけですが、阿蘇山という山はないのです。
いくつかの山が連なり、地形を形成しています。
火山の噴火でできたカルデラが、美味しい水をつくり、地の恵みになり、大自然をつくっています。
世界最大のカルデラで、ジオパークに認定されています。
そのカルデラをお酒を飲みながらお勉強。
大人の夜学です。
スタッフの方に去年の震災の時はどうしていたか?聞いたら
実家(九州)に帰って待機していました。と。
ご両親も心配されたそうですが、すぐに戻り、再開出来るように準備し
界 阿蘇は早めにオープンしたのだそうです。
お隣の黒川温泉の方も言われていましたが、
「お客様から、大丈夫か?応援するために泊まりにいくよ」というお客さんに
励まされたそうです。
宿と客という関係以上の人間としてのつながりを持てるか否か。
災害時には人間としての質を問われるのだな〜と思います。
空港からも遠いし、鉄道は運休中という、交通の便はけっして良くないのに
稼働率の高い宿つくり。
コアなファンを持つ秘密はなんでしょう?
魅力をどうやって打ち出しているのかと思ったのですが、
界阿蘇は、見えない、またはさりげないサービスと
分かり易いアクティビティにあるように思います。
さりげないと言うと、、、、お庭です。
コテージが配置された蛇行した道をつくり景観でお隣が気にならないようにしています。
そして、木々の植生についても、針葉樹より
照葉樹林や、落葉樹をが配置され、四季のうつろいが感じ易い景色を作り出す。
こういう庭というか、森が好きなのです。
私は海より山派な人間なので、森がしっとりしているのに引かれます。
お庭作りについてお聞きしたら、カルデラの土地に木が育ちにくいので
土を入れ替えて樹を植えたのだそうです。
この森になるのに10年近く経っていることになります。
ブランドは一日にしてならずですね。
この庭を散策する時間がとっても贅沢。
鳥のさえずり、露天風呂に流れるお湯、風に揺れる木々の音。
雑踏の音がない。
音の贅沢とはこうした余分な生活の音がしないことなのでしょうね。
里山にあった当たり前の音が、生活の利便性でかき消され、埋もれて忘れて行った。
呼び覚ましてくれる場所になってました。
界 阿蘇の中では、部屋にテレビもWi-Fiも使えて便利さはありますが、
そこに時間をさくより、ぼーっとして寝転んでいるのが心地いい。
お庭を歩いたらお腹が空いて来ました。
お食事どころに移動します。